2012年4月27日金曜日

Profile


 これまで、主として20世紀のアメリカ詩人の作品読解を通じ、歴史的・社会的・政治的要因によって詩の形式がどのように変容するかを考察してきました。これに加え、アメリカ文学一般を主として人種・エスニシティの観点から考察する作業も続けています。同様の観点に基づく映画と音楽の分析にも着手したところです。
 教育面では、学部生向けに言語文化科目(英語)を、大学院国際言語文化研究科で「現代アメリカ文化論 a, b」(南北アメリカ言語文化講座)と「言語表現技術演習 a, b」(高度専門職業人コース)を担当しています。(2004年度までは「多元文化表象論」を担当していました。)「多元文化表象論」および「現代アメリカ文化論」では、これまでに「アイデンティティと諸問題」、「アジア系アメリカ文学を読む」、「アフリカ系アメリカ人の自伝を読む」、「ユダヤ系アメリカ人の自伝・小説を読む」、「Racechange」、「Interracialism」、「Harlem Renaissance と New Negro I, II」、「1960年代アメリカ文化概論 1, 2」、「H.D. とモダニズム 1, 2」、「大恐慌時代のアメリカ文学・文化 I, 2」などの授業を行ってきました。
 主指導教員あるいは副指導教員として、学生の論文指導を行っていますが、これまでに学生が選んだ修士論文のテーマには、Jamaica Kincaid、Maxine Hong Kingston、Tony Kushner、Raymond Carver、Amy Tan、Kenneth Koch、Nancy Cunard、Kerouac とロック、ユダヤ系アメリカ文学、日系二世文学、アフロセントリズム、オーストラリアの多文化主義、アメリカのチャータースクール、ハワイの先住民権利回復運動、ミネソタ州におけるモン族コミュニティの発展、Andre Kertesz の写真論、Jim Jarmusch の映画論などがあります。
 アメリカ文学・文化を研究してみたい人、英語の力を高め、英語教育に携わりたい人、大学院で学んでみませんか。
研究業績

著書


cosmopolitismは何ですか?
論文
  • 「ミナ・ロイの越境と修辞——初期詩篇を読む」科学研究費報告書『境界の消失と再生——19世紀後半から20世紀初頭の欧米文学』基盤研究 (B)(課題番号 20320054)代表西川智之(2012年3月). 43-65.
  • 「白人らしさと黒人らしさ——雑誌 Fire!! とモダニズム」名古屋大学国際言語文化研究科 『言語文化論集』 32.1(2010): 97-126.
  • 「はるか彼方の土地から先祖たちが呼ぶ声――エスニシティの抑圧と顕現」『現代思想(2010年5月臨時増刊号 総特集=ボブ・ディラン)』38.6(2010): 115-123.
  • 「エズラ・パウンドの「原語主義」――The Japan Times 寄稿記事に見る フェノロサ草稿の発展」『言語文化研究叢書』9 (2010年3月): 1-18. (pdf版)
  • 「「ウォーターボーディング」の表象——反復とパロディ」 科学研究費報告書『20世紀における恐怖の言説』基盤研究(B)(課題番号 18320056)代表田所光男(2009年3月). 41-55.
  • "Pound's Reception of Noh Reconsidered: The Image and the Voice." Ezra Pound, Language and Persona (Quaderni di Palazzo Serra 15). Ed. Massimo Bacigalupo and William Pratt. Genoa: Universita degli Studi di Genova, 2008. 113-125.
  • 「「捨てること」の限界──「えてるにたす」に見る「否定」」明治学院大学言語文化研究所『言語文化』25 (2008): 121-135.
  • 「Hart Crane の詩の不透明性とセクシュアリティ」名古屋大学国際言語文化研究科『言語文化論集』37.2(2006): 109-126. (pdf版)
  • 「ボブ・ディランの歌詞に見る引用とエスニック・アイデンティティ」 科学研究費報告書『20世紀ポピュラー音楽の言葉:その文学的および社会的文脈の解明』基盤研究(C)(2)(課題番号 16520205)代表田所光男(2006年3月). 81-94.
  • 「ブラックフェイスと風刺――Spike Lee の Bamboozled を読む」『多元文化と未来社会』平成16年度名古屋大学総長裁量経費研究成果報告書(代表吉村正和、2005年3月). 151-168.(pdf版)
  • 「調和と死――戦意高揚詩としての "Little Gidding"」『言語文化研究叢書』4 (2005年3月): 55-70. (pdf版)
  • 「Woody Allen 作品におけるユダヤ系アメリカ人表象再考――Annie HallZeligCrimes and Misdemeanors を読む」 科学研究費報告書「20世紀ディアスポラ・ユダヤ人のアイデンティティ」(課題番号 14510644、代表田所光男、2004年3月). 77-98.
  • 「隠蔽と仄めかし――John Yau の詩におけるエスニック・アイデンティティの撹乱」 アジア系アメリカ文学研究会 AALA Journal 9 (2003): 32-39.
  • 「エリオット的モダニズムと黒人詩人――Melvin B. Tolson の T. S. Eliot 受容」『英語青年』149.3(2003年6月): 150-153 (14-17)
  • Transport to Summer における戦争・抽象・系譜」名古屋大学言語文化部・国際言語文化研究科『言語文化論集』24.2(2003): 169-187.(pdf 版)
  • "The Composition of the 20th-Century Salt Commissioner: Pound's Social View and Its Aesthetic Reflection in 'Canto 98' and 'Canto 99." Ezra Pound: Dans le Vortex de la Traduction. [Annales du Monde Anglophone, 16.] L'Harmattan, 2003. 63-73.
    ボン痛みニューヨーク
  • 「アメリカ詩の20世紀、そして21世紀―大衆化と革新性の行方」『英語青年』148.10(2003年1月): 20-23 (620-623)
  • 「視覚詩を読むこと──Steve McCaffery の Carnival」名古屋大学言語文化部・国際言語文化研究科『言語文化論集』24.1(2002): 209-221(pdf 版)
  • 「シェヘラザードの魔人――初期 Barth のポストモダン小説論における形式と社会性―」『多元文化』第2号(2002年3月): 131-141(pdf 版)
  • 「並置と力―パウンドの『漢字的抽象』―」日本エズラ・パウンド協会 Ezra Pound Review 3(2000): 1-14
  • 「視覚性の「吸収」―英語圏におけるインターネットと詩」『現代詩手帖』(2000年4月号): 80-85
  • 「『立つこと』と『立たぬこと』――Poems, 1920 の Sweeney 詩篇再読 ――」 日本英文学会『英文学研究』第51巻第1号(1998年9月): 31-41.
  • "Emily and Noriko: Two Cases of Representation of Historical Change." 日本アメリカ文学会中部支部『中部アメリカ文学』第1号(1998年3月): 27-40.
  • 「「吠えるを通して書く」――言語詩とビート詩の微妙な関係--」 『総特集アレン・ギンズバーグ』(『現代詩手帖』特集版)思潮社、1997年. 141-151.
  • The Making of Americans と『グリッド』――ガートルード・スタインの文体と抽象 (2)――」名古屋大学言語文化部『言語文化論集』19.2 (1997): 127-140.
  • 「言語詩と歴史(下)――Susan Howe の Articulation of Sound Forms in Time――」 『英語青年』第143巻第6号(1997年9月号): 329-331 (37-39).
  • 「言語詩と歴史(上)――Susan Howe の Articulation of Sound Forms in Time――」 『英語青年』第143巻第5号 (1997年8月号) : 210-212 (34-36).
  • The Making of Americans と『グリッド』――ガートルード・スタインの文体と抽象 (1)――」名古屋大学言語文化部『言語文化論集』19.1(1997): 103-115.
  • 「"Sunday Morning" における曖昧な説得」 名古屋大学言語文化部『言語文化論集』第XVIII巻 第1号(1996年11月): 213-226
  • 「インターネットと現代詩:調査と予備的考察」名古屋大学言語文化部『〈特定研究〉言語文化情報の電子化とインターネット』(1996年3月). 57-78
  • 「John Ashbery における疑似ダイアローグ――モノローグ性回避の試み――」 日本アメリカ文学会東京支部『アメリカ文学』第52号(1994年4月): 27-35
  • The Crying of Lot 49 における『沈黙のコミュニケーション』」  名古屋大学言語文化部『〈特定研究〉情報とコミュニケーション』(1993年3月). 5-23
  • 「父親コンプレックスのアレゴリー――小津安二郎の『晩春』を読む――」  名古屋大学言語文化部『言語文化論集』14.1(1992): 1-15
  • Vineland の系譜学」  東京外国語大学英語英文学研究会 RANDOM No. 17(1992年9月) pp.
    南ペキンは、竜巻を何年もありましたか?
    105-118
  • 「『凸面鏡の自画像』――アッシュベリーの『騙し絵』――」  名古屋大学総合言語センター『〈特定研究〉言語表現とイメージ』(1991年3月): 5-39
  • "Wallace Stevens' Political Giantology: Personification and Distortion"日本アメリカ文学会『アメリカ文学研究』第27号(1991年2月): 49-65
  • 「記憶のフェティシズム――アッシュベリーと時間――」  名古屋大学総合言語センター『〈特定研究〉言語表現と時間』(1990年3月). 50-76(⇒ 英訳)
  • Gravity's Rainbow における『支配』の構造(1)――『物語』とマゾキズム――」  名古屋大学総合言語センター『言語文化論集』11.2(1990): 103-122.
  • "The Wardrobe and the Net: A 'Potential Plot' in John Ashbery's 'Scheherazade'"  名古屋大学総合言語センター『言語文化論集』10.2(1989): 181-197.
  • "Wallace Stevens' Subversive Imagination: A Reading of 'Description without Place'"東京外国語大学英語英文学研究会 RANDOM No. 12(1987年6月): 31-56
  • "A Boundary, Imagination and the Poet: Stevens' Poetry of Threshold"  東京外国語大学大学院外国語学研究科言語・文化研究会『言語・文化研究』第4号(1986年4月): 9-17
  • 「クリスピンのディレンマ−スティーブンズにおける現実と虚構の二律背反−」東京外国語大学英語英文学研究会 RANDOM No. 11(1986年3月): 60-77
その他
  • 「コスモポリタン?それともクレオール?―グローバル化した大洋と島嶼的アイデンティティー―」『比較マイノリティ学』3 (2012.3): 1-25. [Françoise Lionnet, "Cosmopolitan or Creole Lives? Globalized Oceans and Insular Identities," Profession (2011), 23-43 の翻訳]
  • 「第24回国際エズラ・パウンド学会報告」Ezra Pound Review 14 (2012): 37-48.
  • 「アメリカ詩の研究」『英語年鑑 2012』研究社、2012. 22-26.
  • 「ポストモダニズム文化の「発展的拡張」——幅広い具体例から探られる時代と文化の変容」『図書新聞』3037(2011): 4. [麻生亭志『ポストモダンとアメリカ文化』の書評]
  • 『世界文学史はいかにして可能か』(成美堂、2011)(共訳)[木内徹、福島昇、西本あづさ監訳]
  • 「陳昴与耶蘇会:《詩章》59 至61 章中的冲突与儒学」(尚曉進訳), English and American Literary Studies 14 (Spring, 2011): 41-47.
  • 「『詩篇』第60篇」日本エズラ・パウンド協会 Ezra Pound Review 12 (2010) : 43-57.(Ezra Pound, "Canto 60" の翻訳および訳注)
  • 「名古屋大学全学教育「英語新カリキュラム」の概要及び若干の考察」『名古屋高等教育研究』9 (2009): 5-19.(PDF)
  • 「ジェイムズ・メリル作 / 志村正雄訳『イーフレイムの書』『ミラベルの数の書』『ページェントの台本(上・下)』」『英語青年』154.8 (November 2008): 481-482 (53-54). [書評]
  • 「名古屋比較文化フォーラム(NCCF)・成田興史編『英米文学・英米文化試論──太平洋横断アメリカンスタディーズの視座から』」『中部アメリカ文学』11 (2008): 31-33. [書評]
  • "Betsy Erkkila, Mixed Bloods and Other Crosses: Rethinking American Literature from the Revolution to the Culture Wars.
    " Studies in English Literature (English Number) 49 (2008): 123-129. [書評]
  • 「「アンドゥンブルの歌」に送られて――Nathaniel Mackey, Splay Anthem」(「リレー連載:21世紀の洋書棚」)『英語青年』153.10 (January 2008): 611-613 (27-29).
  • 「戦時の二重の夢――John Ashbery, A Worldly Country」(「リレー連載:21世紀の洋書棚」)『英語青年』153.4(July 2007):228-230 (36-38).
  • 「亀井俊介監修・平石貴樹編『アメリカ──文学史・文化史の展望』」『アメリカ学会会報』158 (2005): 2. [書評]
  • 「John Berryman, "Dream Song 76 Henry's Confession"―声色詩人の暗い告白」(<訳注式英語詩演習>)『英語青年』151.4 (July 2005): 228-230 (36-38).
  • "Modernist Aesthetics for Radicalism? -- Why Not?: Response to Linda Wagner Martin, 'The Radical and the Poetic in American Modernism.'" Proceedings of the Kyoto American Studies Summer Seminar, July 29-July 31, 2004. Ed. Hiroshi Yoneyama and Ai Hattori. Kyoto: Center for American Studies, Ritsumeikan University, 2005. 167-176.
  • 「『ディクテ』上演とシンポジウム――コリアン・ディアスポラとアート」『立命館言語文化研究』16.1 (2004): 95-119. [池内靖子、オ・ギョンスク、木村典子、松田正隆、鄭暎惠子、徐京植、北原恵、嶋田美子、金惠信、イトー・ターリとの共著(シンポジウムの記録)]
  • 「『詩篇』第98篇」日本エズラ・パウンド協会 Ezra Pound Review 4/5(合冊号) (2003) : 68-81.(Ezra Pound, "Canto 98" の翻訳および訳注)
  • 「一千年の平和の国他」『るしおる』50 (2003) : 52-61(James Merrill, "The Country of a Thousand Years of Peace" 他の翻訳)
  • 「Steven Meyer, Irresistible Dictation: Gertrude Stein and the Correlations of Writing and Science (Stanford: Stanford University Press, 2001)」Ivy 35 (2002) : 129-133(書評)
  • 「阿部公彦『モダンの近似値――スティーヴンズ・大江・アヴァンギャルド』」『英文學研究』79.1 (2002) : 71-75.(書評)
  • 「テロリズムと虚構――ブレット・イーストン・エリスの『グラモラマ』」『國文學』47.10(2002年8月号)pp. 60-64.
  • "Response to Prof. Cheung's Keynote Lecture" アジア系アメリカ文学研究会 AALA Journal 6 (2001) : 18-22.
  • 「ガートルード・スタインの "and" あるいは『つけ加えること』」『八事』16(2000): 58-61.
  • 「新しい虚構を求めて――ウォレス・スティーヴンズ」『週間朝日百科』38.6(2000): 242-243.
  • 「第18回国際エズラ・パウンド学会報告」 Ezra Pound Review 2(1999): 41-47
  • 「現実、虚構、そして『最後の物たちの国で』」『ユリイカ』(1999年1月号):190-194.(Sven Birkerts, "Reality, Fiction, and The Country of Last Things," Review of Contemprary Fiction pp. 66-69 の翻訳)
  • "A Crisis before 'the Crisis': On Mallarme's 'Les Fenetres.'" Mallarme in the Twentieth Century. Ed. Robert Greer Cohn. Associated UP, 1998. 143-156.(川瀬武夫「<危機>以前の危機--マラルメ《窓》をめぐって--」の翻訳)
  • 『シリーズ・文学ガイド?―たのしく読める英米女性作品ガイド120?』石井倫代・窪田憲子・久守和子編、ミネルヴァ書房、1998年(項目執筆)
  • "The Yasusada Affair--Ethics or Aesthetics? ... The Kent Johnson/Akitoshi Nagahata Letters.
    " Jacket, No2 (December, 1997)(Kent Johnson との電子メイルによる往復書簡)n. p.
  • 「架空の被爆者詩人を巡って――捏造か連帯の願望か、原爆問う議論乏しく――」『朝日新聞』1997年8月19日夕刊 p. 6
  • "Radical Artifice in the '90s: An Interview with Professor Marjorie Perloff"『英語青年』(1995年11月号): 2-10
  • 「最近の話題作」『英語青年』(1994年1月号、「海外新潮」欄): 31
  • 「80年代のアメリカ詩とアッシュベリーの近作」『英語青年』(1993年10月号、「海外新潮」欄): 31
  • 「H.D.

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