2012年5月7日月曜日

Sasayama’s Weblog


2006/05/29
 
新宿・大久保の淀橋教会で、日野原重明さんのお話を聞く会があるというので、出かけてみた。

この淀橋教会、創立103年目というから、歴史のある教会のようだ。

中田重治と「東洋宣教会」の二人の宣教師とが意気投合して1901年に神田神保町に開設した中央福音伝道館を端緒とした、日本のホーリネス教会の最初の教会のようだ。
1904年に、この流れで、「柏木聖書学院」として設立されたもののようだ。

今回の日野原さんの冒頭でのお話によると、日野原さんは、この淀橋教会の第四代牧師の小原十三司さん(1942年6月26日戦争反対を唱え、官憲によって投獄されたという、ご経歴を持つようだ。ご遺言に「、"リバイバル、リバイバル"」と、いわれたという。)の最後を、医師として、看取られたということだった。

私のような仏教徒からすれば、そんなことは、ともかく、パイプオルガンの設備がいい、新装成った新教会の建設費、20億円のうち、10億円が寄付で集まったのは、すごい、などの、あらぬ下世話な方向に関心がいってしまう。

肝心の日野原さんのお話だが、「「信仰と望みと愛」の中で、一番大切なのは、愛であるが、その愛も、与えられる愛と、Tender Loveとがあって、後者は、許す、忍耐強い愛である。」とされていた。

そのためには、仕返しをしない人生が大切であるとされた。

そして、すべてを洗って、和解(Reconcile)することから、その愛は始まるとされた。

また、人間の存在とは、生きたいと願っているあらゆる生物の中に生きているのが、人間であるとされた。

更に、本当のものは、見えないものであるとも、言われた。

私は、日野原さんについては、ブログ記事「日野原重明さんの「理想の死に方」」
の中で、「日野原さんは、人生の終わりの時には、フォーレのレクイエムを聴きたいとされている。」と書いたことがあったが、今回の講演の中でも、「フォーレのレクイエムの第3楽章のあたりで、人生を終えれば、理想的だが、あまり、音楽のテンポが早くなっても、これまた、こまる。」などと、冗談を言われていた。

最後に、日野原さんは、 イギリスの詩人ロバート・ブラウニング(Robert Browning)の詩の一節「「小さな円を描いて満足するより、大きな円の、その一部分である弧になれ」(ブラウニングのサイトの25ページ「Abt Vogler」の中の「On the earth the broken arcs:in the heaven,a perfect round.」の部分を指されているのでしょうかね?

こちらのサイトもご参照)の言葉で、講演を締めくくられた。

ところで、ここの教会には、専属の聖歌隊がいて、当日は、「What a friend we have in Jesus」、「How Great Thou Art」、「Amazing Grace」、グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」(CW.Gluck "Orfeo ed Euridice")のなかの 「精霊の踊り」(Dance of the blessed spirits)、「Ortonville」などを歌っていた。

日野原さんも、この教会の聖歌隊が、日本一のカントラムになるのではないかと、賞賛されていた。

ちなみに、日野原さんは、日本音楽療法学会の会長もされている。

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2006/05/19(Fri)
 
昨日のインドのBSE・SENSEX市場は、史上最高の826.38ポイント、前日比6.76パーセントの大暴落となった。(昨日のBSE・SENSEXのチャートは、こちら参照)

前回の大暴落は、1992年4月28日(このときは、570.42ポイントの下げ)であった。

インド株式市場は、今週の月曜日にも、462.91ポイント、前取引日対比3.77パーセントの下落を示し、これは、2004年5月17日以来の下落率であった。
しかし、その後、持ち直しを見せてきたところだった。

毎年、雨期前に、インド株式市場の調整は、あるが、今回の大暴落は、外国投資家(foreign institutional investors (FIIs) )に対しての課税(the Central Board of Direct Taxes (CBDT) )強化のうわさがひろまったためであった。

そのうわさによると、当局は、現在の外資のインド株式市場への流入を、取引業者-トレーダー−とみなし、これに対して、41パーセントの課税を強行するであろうとのうわさである。

5月25日に、これに関するガイドラインが発表されるとのことであった。

現在は、外国の機関投資家は、投資家とみなし、短期資本所得税10パーセントを課されているだけである。

大暴落の取引市場の状況を受けて、インドのP. Chidambaram大蔵大臣は、急遽、記者会見を開き、「いかなる外国の機関投資家も、トレーダーとは、みなさない。なぜなら。これらは、インド国内に、恒久的なオフィスを有していないからだ。」として、それらのうわさを否定した。
参照「Foreign investors aren't traders - Chidambaram」

しかし、市場では、この大蔵大臣の釈明が、市場終了後に行われたことに対してのうらみ節も聞かれたようだ。

このサイト「New CBDT rules may send wrong signals」では、「火の無いところに煙は立たない。」(There is no smoke without fire.)と、大蔵大臣の否定発言に対しても、揶揄的である。

また、今回のインド株式市場での大暴落が、今後の他のアジア市場にも、波及するのではないかとの懸念もある。

インド市場に流れ込んでいる外資は、昨日だけでも、九千四百二十万ドル売られたとされる。

参考「Record fall takes Indian market down by nearly seven percent」

2006/05/21 追記 暴落したインド株式市場は、もちなおせるのか?

「Gale of fear sweeps markets」では、先週木曜日と金曜日にわたって暴落したインド株式市場の今後について、コメントしている。

それによると、今回のインド株式指示用の暴落は、インド政府による外国機関投資家に対する課税強化のうわさとともに、アメリカのインフレ懸念の要因もあったという。

すなわち、アメリカにおけるコアインフレが、2.1パーセントから2.3パーセントに上昇したことが大きいという。

これによって、アメリカのFOMCは、6月に再度利上げに踏み切るのではないかという観測が強くなった。

同時に英国における利上げの可能性も要因としてくわわった。

今後の見通しについて、投資銀行は、一様に楽観的である。

ゴールドマンサックス証券は、「インド株のエクイティ評価は依然として魅力的であり、キャッシュサポートは、依然として強含みである。なぜならね今回の下ぶれのリスクは、そんなに大きなものではなかったからだ。」としている。

しかし、ファンドマネージャーは、「今回の暴落後のリバウンドは、そんなに強くはならない。」としている。

また、ある海外投資家は、「投資家は、近々、高金利時代が到来するのではないかと、おそれている。このリスクのほうが、もっと高い。」という。

2006/05/22 追記 インド株式市場は一時取引停止するなど、大混乱

今日のインド株式市場は、午前11時55分にBSEインデックスが、10パーセントの降下を見せた時点で、一時間の市場閉鎖が行われ、その間に、インドの大蔵大臣P Chidambaram などから、「パニックになる必要は無い、流動性の危機は無い。」との声明の後に、再開した。

今回の急落は、ブローカー筋が追証の証拠金差入不足に陥ったため、その準備のための換金売りが殺到したと思われる。

更に、今回の暴落の要因となった外国投資家に対するthe Central Board of Direct Taxes (CBDT)課税強化問題について、「外国投資家を単なる投資家かトレーダーと見るかについては、依然、疑問点が残る。」との見解の表明も、これに追い討ちをかけたものと見られる。
参照「Sensex above 10,500; FM says don't panic」

2006/05/23 追記 昨日のインド株式市場のパニックを引き起こしたのは、次の文言

昨日、インドのCBDT(The Central Board of Direct Taxes)が、外国投資家を投資家とみなすか、トレーダーとみなすかについての声明を出したが、その中で、次の一節があったことが、インド株式市場の一時閉鎖を引き起こすほどのだニックを引き起こしたと、このサイト「Tax scare leaves Sensex swinging」では見ている。

その一節とは、

「外国投資家を、投資家とみなすか、トレーダーとみなすかについては、依然、事実上の問題(question of fact)として残っている。これを評価するものは、結論に達するまでに、全体の事実と状況とを、テークノートしておく必要がある。」

("Whether a person purchasing and selling shares or securities is a trader or an investor remains a question of fact. The assessing officer would have to take note of the totality of the facts and circumstances before reaching a conclusion," )

の部分であった。

2006/05/24 追記 インド株式市場の大暴落は、大蔵大臣罷免問題にまで発展

インドのインド人民党(BJP:Bharatiya Janata Party)は、今回のインド株式市場の大暴落は、大蔵大臣であるP.Chidambaram氏の不適切な声明にあったとして、大蔵大臣罷免を要求した。

大蔵大臣は、この問題について、インド議会に対して、何の説明も行っていないとしている。

インド人民党の党首であるV.K.Malhotra 氏は、即刻の大蔵大臣の辞任を求めている。

また、インド議会のインド人民党の議員会議からも、同様に要求があった。
参照「Sensex crash: BJP demands FM's resignation」

なお、このサイト「Markets? It's over-regulated for a politician」では、いかに、インドの国会が、株式市場の思惑に無知で、市場を混乱させる政策を無神経にうちだしているかについて書いている。

2006/06/02 追記 インド株式市場の混乱収まらず。

先月、5月18日の大暴落に始まったインド株式市場の混乱だが、月が替わっても、一向に、その混乱が収まる気配がない。

昨日は、BSE SENSEXは、前日比3.15パーセントダウン、または、327ポイントダウンの、10,071.42インド・ルピーとなった。

また、The S&P CNX Nifty も、108ポイントダウンの、 2962インド・ルピーとなり、3000インドルピーのラインを6ヶ月ぶりで、下回った。

BSE SENSEX構成銘柄のうち、1968銘柄がダウン、42銘柄が、横ばい、上昇を見せた銘柄は、わずか、404銘柄であった。

特に、金属、自動車関連銘柄の落ち込みが激しかった。

外国投資家の資金の引き上げ傾向は、著しく、これに、アメリカの金利引き上げ継続が確実視されてきたことも、てつだって、ディーラーの一部では、BSE SENSEXは、7500インドルピーの線にまで、落ち込むのではないかとの観測もある。

一方、インド政府は、昨日、2005年度のGDP=国内総生産の伸び率がプラス8.4%の、予想を上回る高い成長率を記録したことを発表したが、いかなる良いニュースもかき消すほどの、インド株式市場の下落ぶりであった。

参照

1060602/asp/business/story_6301271.asp

india/news/localmarkets/sensexnifty/
marketswhackedagainniftyshutsbelow3000/23/55/article/217687

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2006/05/04
 
このほど発表されたアメリカの鳥インフルエンザ感染拡大に対処したパンデミック対策計画「Implementation Plan for the National Strategy for Pandemic Influenza」は、233ページに及ぶ大部なものであるが、相当総合的な対策だけに、評価がある一方で、これだけの対策をするだけの予算措置はなされているのかという批判もあるようだ。

このサイト「Bird flu plan lacks a key detail」では、現在措置されている鳥インフルエンザ対策予算のほとんどは、ワクチン開発と抗ウイルス薬備蓄費用に消えてしまって、地方対策に使えるのは、そのうちのたった5パーセントに過ぎないとしている。

専門家によれば、緊急患者ですぐに一杯になってしまうと見込まれる地方の病院の整備と健康管理費用だけでも、50億ドルは必要との見方をしている。

「Chapter 9 - Institutions: Protecting Personnel and Ensuring Continuity of Operations」の部分にある「パンデミックになったばあい、就労人口の40パーセントが数週間、職場を離れなければならない」ことについて、「Bird Flu Plan 」では、the Central Shenandoah Health District のDoug Larsen博士は、支障ないとしている。

なお、この対策発表での記者会見で、報道官は、「Mitigate」という言葉を盛んに強調されていたが、なるほど、この計画の中には、この「Mitigate」という言葉が、随所にちりばめられている。

つまり、その意味するところは、疾病の拡大に対するミチゲートであると同時に、社会的・経済的なインパクトに対するミチゲートを含めた、広い概念での影響緩和(Mitigate illness, suffering,and death、Mitigate impact to economy and society)を意味しているようだ。

画餅に終わらないことを祈るのみだ。

2006/6/31  追記 「Pandemic Planning Update II」について 

米国のpandemicflu.gov に下記のレポートが出たとの情報を、Chaosさんからいただきました。

現状と準備状況について、コンパクトにまとめられているとのことです。

Pandemic Planning Update II

この中で、12ページ目の次のチェックリストが、参考になりました。

霊安施設(Mortuary Facilities)なんてのもあって、ギョッとしますが。

Available Checklists:
State and Local
Individuals and Families
Business
Schools (K-12)
Faith-based and Community Organizations
Medical Offices and Clinics
Home Health Services
Long-Term Care and Other
Residential Facilities

Upcoming Checklists:
Law Enforcement and First Responders
Children's Hospitals
Health Insurance Industry
Travel Industry
Mortuary Facilities
Correctional Facilities

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2006/04/28(Fri)
 
ある政治家ブログに「絶縁耐力試験を、メーカーが1000V/1分で試験しているのものもあり、1200V/1秒で試験しているものもあるのは、どうしてなのか?」という議論が延々と続いていたようなので、余計なこととは知りながら、これについてのコメントを書き込んでしまった。

ご同業の政治家ブログにコメントするのは、潔しとしないのだが、どうも、ブログ内の論議で、試験の概念に混乱が見られているようなので、やむにやまれず書き込んだ、といったところだ。

その後、いろいろ、問い合わせがきているので、以下に、まとめの意味で、この点についての集約をしておきたい。

もっとも、私は専門家ではないので、これ以上のことは、経済産業省か、専門家に聞いていただきたい。

IEEEの規定では、試験のカテゴリー(Test categories)として、

Type test (TT)(型式試験、IEC60950第三版では、1.2.13.1規定).

Production sample test(PST)(抜取試験、同上1.2.13.2規定、第三版からの新規用語定義で、製品ロットから無作為に抽出した一定数の試験品に対して行う試験).

Routine test (RT)(ルーチン試験、同上1.2.13.3規定).

の三つがあるとしている。

(IEC60950(IT機器)、IEC60065(家電機器規格)で規定されており、このうち、IEC60950では、「1.2.13.10爆発限界点」の中に規定されている。

このほか紛らわしい概念として、Verification Testsというのがあるが、これは、上記のProduction sample testと同じ概念と見られる。
このように、Production testには、Routine Tests と Verification Tests(Production sample test)とがあり、この両者の違いについてみれば、前者は、line tests でのbatch毎の全品検査であり、後者は、サンプル検査であり、常時のものではなく、検査の必要性に基づいて行われる検査であるといえる。

この両者の違いについては、このサイト「Requirements of the testing for factory producing control」の下部に詳しく書かれている。

このほかにも、Development Tests Prequalification Tests(事前資格審査試験) 、Electrical Tests after Installation (設置後試験)Acceptance tests 、Conformance tests、Factory Acceptance Test (FAT) 、 Site Acceptance Test(SAT)などがある。)

まづ、、「JISC9335-1 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第1部:一般要求事項 」のなかの13.3ならびに、「付属書A製品検査の試験」を見ていただきたい。

(JISのサイト

Type Testについては、
「13.動作温度での漏えい電流および耐電圧」(25ページ)の中の「13.3.絶縁部には、50Hzまたは、60Hzの正弦波形電圧を1分間加える。」(26ページ)とあり、その下の「表4.耐電圧試験電圧」の規定がある。

Routine Production Testについては、
「付属書A(参考)製品検査の試験」(83ページ)に「A2.電気耐電圧試験 約50Hzおよび60Hzの周波数の実質的に正弦波形の電圧を、機器の絶縁に1秒間加える。」とあり、以下に「付属書A.1.試験電圧」が掲載されている。

JISの電気分野は、IEC規格と整合がとられており、このJISC9335-1に対応するIEC(国際電気標準会議規格)はIEC 60335-1 (「Safety of household and similar electrical appliances-Part 1: General requirements」)(日本での規格名は、J60335-1)である。

この「IEC 60335-1」の日本版である「J60335-1」においても、23ページ「16. 漏洩電流及び耐電性」に「16.3 16.2 の試験を行った直後に、絶縁部分に周波数が50Hz又は60Hz の正弦波形の電圧を1分間加える」とあり、「表5 − 加える試験電圧」に、加える電圧が記載されている。

さらに、冒頭において、「この電気用品の技術上の基準を定める省令第2項の規定に基づく基準は、IEC 60335−1(1991),Amd.No.1(1994),Amd.No.2(1999)に対応している基準である。」(2ページ)とし、「4. 試験に関する共通条件」(5ページ)において、「 4.1 当規格に基づく試験は、型式試験である。」としている。

この「IEC 60335−1」の第4版(2001-05)の付属書A(Annex A (informative) Routine tests )において、「1200V1秒」の「hot hipot test 」が規定されており、また、アメリカのUL規格の「UL858」(ANSI/UL 858 -Household Electric Ranges)においても、同様の規定がされている。
参照「Testing & Standards 」

問題は、「1200V1秒で試験」の根拠となる、この「付属書A」の取り扱いであるが、日本においては、「IEC 60335−1」の日本版である「J60335-1」は「付属書A」が規定されている第4版対応でなくて、第3版対応となっている点であるが、これについては、「電気用品の技術上の基準を定める省令第2項の規定に基づく基準について」(平成14・03・13 商第6号平成14年3月18日)があり、このなかで、「4 基準中で国際規格を引用する場合であって、表1、2及び3の中に当該国際規格に対応する基準がある場合にはこれを適用するものとする。」とされており、この表の中に、「IEC 60335-1 」がはいっている(この時点では、IEC 60335-1(1976),Amd.No.1(1977),Amd.No.2(1979),Amd.No.3(1982),Amd.No.4(1984),Amd.No.5(1986),Amd.No.6(1988)に対応)ところから、この「IEC 60335−1」の第4版(2001-05)の付属書A(AnnexA)は、規定とみなされうる。

また、このAnnex Aが「normative(規準)」でなく、「informative(参考)」である点についての見解は、下記の「IEC-J60065」の「附属書N(参考)ルーチン試験」の解釈(「J60065(オーディオ、ビデオ及び類似の電子機器−安全要求事項)の付属書N(参考)の取り扱いについて」平成16年11月27日)に準じるものとして解釈しうる。

(備考-基準適合確認(電気用品安全法第八条第1項 )

届出事業者は、届出に係る電気用品を製造、輸入する場合おいては、国が定める技術基準に適合させるようにしなければならない。

技術基準には、下記の二つの基準がある。

省令1項基準(我が国独自の基準)
(電気用品の技術上の基準を定める省令(昭和三十七年八月十四日通商産業省令第八十五号)「1  電気用品安全法 (昭和三十六年法律第二百三十四号。以下「法」という。)第八条第一項 の経済産業省令で定める技術上の基準は、次の表の上欄に掲げる電気用品の種類ごとにそれぞれ同表の下欄に掲げる表に定めるとおりとする。 」
「附表第十 絶縁耐力試験 」)

省令2項基準(国際電気標準会議(IEC)が 定めた規格に整合化された基準)
「電気用品の技術上の基準を定める省令(昭和三十七年八月十四日通商産業省令第八十五号)」」
「2  経済産業大臣が電気用品の構造、材質等から判断して保安上支障がないと認めた場合は、前項の規定にかかわらず、経済産業大臣が認めた基準を技術上の基準とする。」
「電気用品の技術上の基準を定める省令第2項の規定に基づく基準の制定について」
「4 基準中で国際規格を引用する場合であって、表1、2及び3の中に当該国際規格に対応する基準がある場合にはこれを適用するものとする。」
表1.電気安全に関する基準」)

一方、オーディオ機器については、IEC 60065 「 Audio, video and similar electronic apparatus - Safety requirements 」(日本の規格名はJ60065)が対応しており、これについては、この「IEC-J60065」の「附属書N(参考)ルーチン試験」の中に、「N.2 生産工程の最後での試験」との記述があり、「N.2.1 絶縁耐圧試験」において、「表N.1−試験電圧」で、「定格主電源電圧≦150」のばあいは、「基礎絶縁」が試験電圧の適用個所のばあいには、「1130V」を、「二重絶縁又は強化絶縁」が試験電圧の適用個所のばあいには、「2120V」を、「初め、規定された試験電圧の半分以下を加え、それから1,560V/ms を超えない速さで規定値まで上げて1 秒から4 秒の間維持する。」とある。

この「附属書N(参考)ルーチン試験」の取り扱いについては、経済産業省からの「J60065(オーディオ、ビデオ及び類似の電子機器−安全要求事項)の付属書N(参考)の取り扱いについて」(平成16年11月27日)において、次のような見解が示されている。

すなわち、

「付属書N(ルーチン試験)は(参考)との位置付けであることから、電気用品安全法第8条第1項の技術基準としては適用されない。
しかしながら、同付属書N(参考)で定める「N.2.1 絶縁耐圧試験」を、電気用品安全法施行規則別表第3の「絶縁耐力について一品ごとに行う、技術基準において定める試験の方法と同等以上の方法」と解釈し、同試験に適用することは差し支えない。」

とし、さらに、

「1項基準の電気用品の完成品検査の絶縁耐力では、従前から「技術基準において定める試験方法と同等以上の方法」として「技術基準で定める試験電圧の1.2倍の試験電圧で1秒間耐えること」の耐電圧試験が行われてきた。しかし、J60065では付属書Nでルーチン試験の絶縁耐圧試験を規定していることから、それを採用することが望ましい。」

としている。

(備考 「電気用品安全法施行規則(昭和三十七年八月十四日通商産業省令第八十四号)」
(検査の方式等)
第十一条  法第八条第二項 の規定による検査における検査の方式は、別表第三のとおりとする。
「別表第三 検査の方式 (第11条関係) 」
 (2) 完成品について行う検査
その他の特定電気用品にあつては外観、絶縁耐力及び通電について一品ごとに技術基準において定める試験の方法又はこれと同等以上の方法により行うこと。)

これについては、次のサイト「JIS C6065(オーディオ、ビデオおよび類似の電子機器−安全要求事項)改正原案について」(2005年5月)も、ご参照いただきたい。

ここでは、

「一般に電気製品の安全を確保するために生産出荷時には所定の絶縁耐力試験が課せられています。
一方、 IEC60065第7版においてはルーチン試験が付属書Nに「参考」という位置付けで記載されており、これをもって生産出荷時の絶縁耐圧試験を課しているとはいえないという指摘がありました。
一方、関係当局との打合せの結果、 電気用品安全法施行規則別表第三「検査の方式」のなかの「絶縁耐力については一品ごとに、 技術基準において定める試験の方法またはそれと同等以上の方法で行なう」の内容が、付属書Nの要求におきかえて適用することについて問題がないという見解が出されました。
以上を受けて、 付属書Nの絶縁耐力試験の項目を本規格の付属書JA(規定)として入れ込み、製造ラインにおけるルーチン試験の中の絶縁耐力試験は 「規定」となりました。」

とあり、この付属書Nを「同等以上の方法」とみなして、付属書Nの絶縁耐力試験の項目を本規格の付属書JA(規定)として入れ込んだとしている。

このIEC 60065 「 Audio, video and similar electronic apparatus - Safety requirements 」(日本の規格名はJ60065)についても、、「電気用品の技術上の基準を定める省令第2項の規定に基づく基準について」(平成14・03・13 商第6号平成14年3月18日)の表の中にはいっており(「International Electrotechnical Commission規格 (以下「IEC」という。) 60065(1998)に対応」と書いてある。)、この中の AnnexNは、規定として準用されるものと思われる。

なお、この「IEC60065」に対応するJISであるJISC6065(「家庭用電子機器の安全性」Audio, video and similar electronicapparatus−Safety requirements)の修正は、まだのようだ。

「IEC 60335-1 」に対応するJISである「JISC9335-1 」についても、(参考)のままのようだが、上記サイト「JIS C6065(オーディオ、ビデオおよび類似の電子機器−安全要求事項)改正原案について」にも「今後、日本工業標準調査会の審議を経てJIS規格として制定され、 その後、電気用品安全法の省令第2項の基準として引用される予定です。」とあるので、JISの整合化も、すでに視野に入っていると見て、いいのではないのだろうか。

以上のことから、電気用品安全法施行規則別表第三「検査の方式」のなかの「絶縁耐力については一品ごとに、 技術基準において定める試験の方法またはそれと同等以上の方法で行なう」の内容を、、「IEC 60335-1 」や「IEC60065」における付属書の要求におきかえて適用することについては、問題がないものと思われる。

(このIEC規格とEUの1973年の低電圧司令(the European Low VoltageDirective (LVD)73/23EEC)との対比表は、こちらのサイト「Official Journal C102 (2005/4/27) に追加された整合規格」ご参照)

以上、「絶縁耐力試験を、メーカーが1000V/1分で試験しているのものもあり、1200V/1秒で試験しているものもあるのは、どうしてなのか?」という冒頭の議論に対して答えるとすれば、以下のようになるだろう。


どのように悪い大恐慌の5の事実

「IEC(国際電気標準会議規格)の付属書(Annex)ルーチン試験で、「informative(参考)」(Annex (informative) Routine tests )として、1200V/1秒試験が記載」→
「「電気用品の技術上の基準を定める省令第2項の規定に基づく基準について」(平成14・03・13 商第6号平成14年3月18日)で、、「4 基準中で国際規格を引用する場合であって、表1、2及び3の中に当該国際規格に対応する基準がある場合にはこれを適用するものとする。」とする。」→
「付属書(Annex) の、「informative(参考)」を「normative(規準)」とみなす。」→
「IEC 対応JISの見直しを図る」→
「対応JISの見直しによって、電気用品安全法施行規則別表第3の「絶縁耐力について一品ごとに行う、技術基準において定める試験の方法と同等以上の方法」と認める」→
「電気用品の技術上の基準を定める省令(昭和三十七年八月十四日通商産業省令第八十五号)での省令2項基準(国際電気標準会議(IEC)が 定めた規格に整合化された基準)に1200V/1秒試験が該当」→
「1200V/1秒試験が基準適合確認(電気用品安全法第八条第1項 )に該当」
ということになるのだろう。

ここで、Hipot Test(Dielectric Withstand Test(耐電圧試験)、high-potential test(高圧測試))

IR Test(Insulation Resistance Test、絶縁抵抗試験)
との違いについては、次の二つのFAQ
「IR Test(Insulation Resistance Test)」
「Hipot Test(Dielectric Withstand Test)」
がわかりやすい。

ここでは、IR TestもHipot Testも、新製品または、メンテナンスについての試験であるが、IR Testは、定性試験であり、絶縁耐性の長期の耐力を試験するものであり、Hipot Testは、主として、製品製造ラインの中での試験であり、通常は、IR Testよりも、高圧の電圧で行うものであるとしている。

そのため、もし、被試験装置(DUT:Device Under Test )が先にIR Testの段階で、失格となったばあいには、次のHipot Testでも、失格する可能性が多いということで、この二つの試験がコンビネーションでなされる場合には、通常は、IR Testが最初になされ、次に Hipot Testがされるとしている。

(本来、外観、絶縁耐力及び通電の検査のうち、絶縁耐力試験(dielectric strength test) は、漏えい電流および耐電圧の二つの検査を行うものであるが、そのために、まず、絶縁抵抗試験(IR Test)を行い、次に、耐電圧試験(Hipot Test)を行う、という流れになる。)

Hipot Testの対象については、この試験の性格が、品質管理的意味を持つことから、「全数対象」というのが、世界の主流の考えのようだ。
(これについては、「Exploring the Necessity of the Hot Hipot Test」をご参照。
ここでは、全数検査の必要性について次のように書いてある。
「電気製品の故障を検出するために、このHipot Testは、ルーチンな修理維持の間同様、生産されたすべての製品ユニットの製造過程の間においても、通常的に行われる。」)

また、「なぜ、Hipot Testでは、1200ボルト1秒なのか?」についてだが、下記のFAQ「Dielectric Withstand Test」については、次のように書いてある。

「これは、経験則(Rule of thumb ルールオブサム )に基づくもので、次のような公式に基づく。」として、
「定格100ボルトの場合は、作動電圧100×2+1000=1200ボルト」(これは、俗に、the (2U + 1000 V)-formulaと呼ばれているものである。 )としている。

ここでの、「ルールオブサム」というのは、昔、ドイツのビール作りの職人が、醸造内の温度を、親指を、ビール樽に漬けて、ヤマカンで計ったことに由来しているんだそうだ。

この背景には、the test time reduction (TTR)問題というのもあるようだ。

各種試験の公式については、「Testing Theories and Recommendations」、「Understanding the How and Why of Electrical Product Safety Testing 」、「Basic Facts About High Voltage Testing」などをご参照

「1000ボルト1分」の根拠についても、これは、経験値にもとづくものであるとの見解が有力である。

また、Hipot Testはラインの最終検査であるのだから、そのままの検査でいいはずなのだが、たとえば、下記参考のように、 この過程で、Y キャパシタ (ACから非充電GND間に入れるコンデンサ、ライン・バイパス・コンデンサ) をとりはずすのかというような問題があるように、すでに、部品段階で検査済みのデリケートな部品について、二度の試験を施すことについては、いろいろ、議論もあるようだ。
参考
「Understanding the How and Why of Electrical Product Safety Testing 」
「Y Capacitors in Hipot Testing」

ルーチン試験の中身としては、Function  TestInsulation TestBurn in がある。

中古品の試験については、「routine maintenance tests 」の考えが適用されるであろう。

このサイト「Electrical Maintenance Tests and Inspections for Distribution Equipment」では、「routine maintenance tests 」として、いくつかの手順が示されている。

また、このサイト「Sensible transformer maintenance」「Sensible transformer maintenance」では、トランスのメンテナンス試験での注意事項が書いてあり、参考になる。

試験に関する参考サイト一覧
「A Review of Common  Electrical Safety Test Requirements」
「Understanding the How and Why of Electrical Product Safety Testing 」
「Understanding Insulation System Testing」
「DIELECTRIC WITHSTAND TEST 」
「Insulation System Testing」
「Insulation Resistance Testing For Maintenance & Safety」
「A Review of Common Electrical Safety Test Requirements」
「THE NEED FOR HIGH VOLTAGE TESTING IN PREDICTIVE MAINTENANCE PROGRAMS」
「The Operator's Guide to Electrical Safety Compliance Testing」
「Electrical Safety Testing Electrical Safety Testing Reference Guide」
「Developments in Electrical Safety Testing 」
「電気用品安全法−電気用品の技術上の基準を定める省令−国際規格からの相違」

私のブログ内での関連記事「音楽家・坂本龍一さんらが電気用品安全法(PSE法)に対する反対ネット署名開始」

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2006/04/17(Mon)
 
今日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油5月先物市場では、 66セント上がって、一バーレル69.98ドル となり、テキサス産軽質油(WTI)の5月渡し価格は、一時、1バレル=70・00ドルまで上昇した。

ロンドン市場では、83セント上がって、一バーレル71.40 ドルとなった。

これは、昨年8月の大型ハリケーンのメキシコ湾内石油施設破壊による原油高騰1バーレル70.85ドル以来の高値である。

高値の要因としては、イランの核問題による先行き不透明、ナイジェリアの2月以来とまっているRoyal Dutch Shellの洋上施設の再開見通し困難の予測、などによるものである。

ロンドン市場では、ニューヨークよりも、イラン問題に敏感に反応したものとされている。

各国の石油精製企業のやりくりも、困難となりつつあり、また、日本では、コスモ石油の昨日の市原市の千葉プラントの火災による閉鎖なども、懸念材料となっている。

これらの不安材料によって、ガソリン価格も、0.56パーセント上がって、一ガロン2.12ドルの高値を見せている。

参照
「World oil prices hit $70 a barrel」
「Update 1: Crude Oil Price Hits $70 a Barrel in Asia 」
「Crude Oil Price Hits $70 a Barrel in Asia」
「RPT-UPDATE 1-Oil hits $70 as funds flow in, Iran rumbles on」

2006/04/19追記-原油価格は、更に上昇

月曜日に、昨年のハリケーン時に漬けた高値を上回り、一バーレル69.98ドル となったニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油5月先物市場は、今日、更に高騰し、一バーレル71.60ドルという、史上最高の高値に達した。

これまでの最高高値は、2005年8月30日の一バーレル70.85ドルであった。

新たな高値の要因としては、OPECが、昨日発表の4月月報で、2006年の需要見通しを修正し、日産百四十二万バーレルとしたことが影響しているとされる。

これは、前回月報の見通しである日産百四十六万バーレルよりも、縮小している。

今年のOPEC原油需要予測については、3月月報から同10万バレル上方修正し、平均同2850万バレルとした。

その他、イランの核兵器開発疑惑問題、ナイジェリアのロイヤルダッチシェルの一部閉鎖問題、夏のバカンスでのガソリン事情問題がある。

ロンドンのBrent市場でも、一時一バーレル72.64ドルという市場最高値をつけ、最終72.51ドルとなった。

ガソリン先物は、一ガロン5.42セント、暖房用石油は、一ガロン2.79戦と、天然ガスも、43.1セント上昇し、千立方フィート当たり8.008ドルとなった。

2006/04/21 追記 更に続く、原油価格高騰−イランからの原油出荷停止の観測も-

連日高騰を続けている原油相場は、今日も、上がり、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油6月引渡し分は、一時1バーレル73.50ドルまで高騰した後、1バーレル72.93ドルと、73ドル直前に落ちついた。

要因としては、イランが、核問題沸騰の中で、原油の出荷を取りやめるのではないかという観測が浮上しているためといわれている。

更に、ガソリンの規格が、バカンスシーズンに、新たらしい環境汚染水準に到達しないのではないのかという懸念も浮上している。

参照「Crude Oil Trades Near $73 on U.S. Gasoline Disruption Concern 」
「Oil slides under $73 on profit-taking from records」

2006/04/21追記 イランの大統領が「原油価格は、貧困国は安く、富裕国は、より高く」と言明

イランの大統領マフムード・アフマディネジャード( Mahmoud AHMADINEJAD )氏は、今日、「貧困国が、最近の原油価格の高騰に耐えうるためのスキームを考える必要があるが、富裕国は、今の価格水準では、適切な「実質価格」水準に達しておらず、より高い原油価格を支払うようになるであろう」と言明した。

大統領は、どの程度の水準が富裕国にとっての実質価格水準なのかについては、明らかにしなかったが、イランの国会議員の一人は、一バーレル100ドルが、実質価格水準であるともらしている。

また、大統領が言う、貧困国のために安い原油価格で供給するスキームとしては、OPECファンドの活用を考えているという。

現在OPECの原油生産量は、イラクも含めて、日産二千七百八十一万バーレルであるが、このうち、イランは、三百八十五万バーレルを占めている。
参照「Iran says rich states must pay "real" oil price」
「Ahmadinejad Says Oil Prices Have Not Reached its True Value」
「Ahmadinejad calls for oil industry's self-sufficiency 」

日本のイランからの原油輸入量は約2億3000万バレル(04年)で、イラクの生産量の15パーセント強を日本が占めており、日本の輸入量全体に占める割合はアラブ首長国連邦、サウジアラビアについでイラクは第3位(15%)である。

2006/04/22追記 原油高は、さらに、1バーレル75.05ドルに記録更新

原油高は、さらに記録更新し、ニューヨーク商品取引所での相場は、1バーレル75.05ドルに達した。

これは、1983年の取引所開設以来の高値である。

また、前年同期比38パーセントの増加である。

要因としては、イランへの核問題を契機にしての経済制裁の高まり懸念と、アメリカの原油輸入量の第五位のシェアを占める、アフリカ最大、ナイジェリアのRebel Oil の襲撃による20パーセント生産能力削減懸念の要因が大きい。

アメリカの石油ブローカー筋では、原油価格は100ドル台を突破すると、予測している。

その理由として、1979年のイラン革命後、1981年2月時点での原油価格1バーレル39ドルを現在のドル値で換算しなおすと、86,88ドルになるからであるという。
参照「Oil Rises to a Record $75.15 on Concern About Iran, Nigeria」

2006/04/23 追記  イランの石油相が、原油輸出先見直しの方針を表明

イランの石油相Kazem Vaziri氏が、ロイター紙に話したところによると、

「イランが経済制裁を受けるいわれはないが、それでも、原油の輸出をストップする気は無い。
ただ、今回の核問題についてイランに同情的な国に対しては、顧客先の振り替えを行うつもりではある。」

と述べた。

イランのEU向け原油輸出先は、フランス、イタリア、スペイン、ギリシャ、トルコであり、大半は、極東向けに輸出されている。

石油相の発言は、これらの日本を含む極東のイランの核問題に対する対応いかんによっては、これらの分をEUに向けなおすことを示唆したものと思われる。

中国は、ブッシュ会談において、イラン制裁問題について、あいまいな態度をとったため、この点では合格ということなのだろうか。

その意味では、この石油相の発言は、日本に対するものなのかも知れない。

2006/04/23追記 ベネズエラで、共同石油開発会社設立の動き

ベネズエラのOrinoco川流域 産油地帯にある32の個人経営の石油開発会社を統合し共同会社 Petroleos de Venezuela SAを設立し、その共同会社に対して、ベネズエラ政府が51パーセント出資をするという計画が浮上している。

その政府出資を可能にするための新法も、すでに、国会を通過しているという。

この産油地帯においては、国際資本のExxon Mobil Corp., Total SA, Chevron Corp., BP PLC, ConocoPhillips Norway's Statoil の各社が、トータルで、日産 600,000 バーレルの精製をすでにしている。

ベネズエラ国内の他の32の産油地帯においても、同様の方法での共同会社設立となれば、ベネズエラ政府への税収は、34パーセントから50パーセントへ、ロイヤリティは、16.7パーセントから30パーセントへ、上昇するといわれる。

このような方式の変化が、将来の外資の投資動向に対し、どのように影響するかは、わからないが、いまのところ、Exxon Mobil は、この方式参加を拒絶したが、テキサスを根拠地とするIrvingという会社は、この方式参加に同意したという。

Rafael Ramirez 石油大臣は、Exxon Mobil社に対して、もし、この方式参加を拒む場合は、ベネズエラからの撤退を申し渡したという。

参照「Venezuela to expand joint oil ventures」

2006/04/25 追記 原油価格高騰は一服したが、懸念は増大

今日のニューヨーク商品取引所の原油価格は、一バーレル73.33 ドルとなり、前日比2.5パーセント下落した。

また、ガソリン価格も、前日比 4セント下落し、一ガロン2.174 ドル、暖房用オイルも、2セント下落し、一ガロン2.031ドル、となった。

要因としては、OPECが、「今回の原油高騰は、地政学的リスクの増大と、投機筋の思惑買いによるものでOPECの増産体制に心配ない。むしろ心配は、メジャーの石油精製体制だ。」との声明を出したことと、先週末の高騰分の利益確定の売り急ぎがあったものと見られている。

しかし、高騰要因は、更に、増大しており、特に、ベネヅェラでの国内石油会社国有化の動きと、イランの輸出先国選別化見通しの動きは、大きい。

高騰一服後、更に、一バーレル100ドルラインに向かって高騰しつづけるというのが、大方の見方のようである。

2006/04/26 追記 ブッシュ大統領の各種対策提示で、原油価格高騰は、沈静化の方向へ

4月25日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、ブッシュ米大統領が夏需要に備えての戦略備蓄原油の積み増しの秋までの一時停止を発表したことを受け、指標となる米国産標準油種(WTI)6月渡しは一時、1バレル=71ドル台後半まで下落した。

一方、ブッシュ大統領は、ガソリンに適用予定だった、エタノールなどの添加物添加を義務付ける新環境基準適用の延期も決定した。

更に、ブッシュ大統領は、石油高価格の構造についての調査を開始することを言明した。

これには、石油会社が市場を操作しているかどうかの実態や、ガソリン税の実態についての調査も含まれる予定のようである。

これは、この11月に選挙を控える共和党の下院議員からの危機感にこたえたものもあるようだ。

参照
「Bush Suspends Environmental Rules on Gasoline」
「Bush Orders Investigation Into High Petrol Prices」

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2006/04/10(Mon)

4月1日のPSE施行後の状況がどうなってんのかと、近所の中古オーディオ屋さんに行って、親父さんの話をきいてみた。

ここは、いち早く、先を見越して、レンタル方式にきりかえた店である。

すでに、レンタル方式での販売?実績も2-3件あったとのことである。

難点といえば、レンタル方式についての説明に時間がかかるとのこと、でも、総体としては、何の不便もないという。

また、今回の経験に懲りて、中古の業界団体を作る動きであるという。

経済産業省さんにとっては、ある意味「思う壺」で、一安心するであろうが、総じて「何事もなし、PSE施行後」の状況と、みうけられた。

このPSE問題についての私のスタンスは、いちはやく、「法改正は、無理なので、経済産業省と、ガイドラインの詰めを」との処方箋を出した。
参照「音楽家・坂本龍一さんらが電気用品安全法(PSE法)に対する反対ネット署名開始」

小倉秀夫弁護士も、ご同様な見解で、いち早く「ノーアクション・レター制度の活用」を提案された。

しかし、ネット上では、私どものこれらの動きは、経済産業省の立場を擁護・支援する「ガイドライン派」として、揶揄された。

一方、いまだに、法改正を主張されている川内ブログのような存在もある。

私は、このような政策要求に対しては、インフォームド・コンセント的対応が必要であると思っている。

つまり、「どこまでは、できますよ。しかし、はっきりいって、この程度までしか、治癒できません。」と、はっきり患者(政策要求者)に 伝えることである。

それは、がん告知とおなじ、伝える側には、心苦しさも、あるであろう。

そして、そこには、政策職人? 的な見通しと、勘と、技が求められるであろう。

しかし、そのことによって、政策要求者にとっては、オルタナティブを模索しうる時間的価値が生まれるはずである。

また、セカンド ・オピニオン的対応も、可能となるであろう。

いろいろ、考えさせられることの多かった、今回のPSE騒動であった。

追記 2006/04/12  ハードオフの「買取り再開」メッセージ

久しぶりに、近くのハードオフに立ち寄ってみると、何やら張り紙が−−−。むむっ?
「ハードオフ買取り再開」のお知らせだと?

以下は、原文のまま。

「平成18年3月14日の経済産業省の発表を受けて、PSEマークが無い商品の買い付けを再開いたしました。

2月11日より、買取りを中止していた商品の買取りができるようになりました。

一部買取りができない商品もありますが、高級オーディオ、ギター関係のエフェクタなど、以前どおりの買取りができます。

ぜひ、ご不要になりましたオーディオ、ギターアンプなど、ございましたら、ハードオフをご利用ください。」

で、店員さんに聞いたら、検査機を導入しての自主検査は、6月から始まるそうだ。

このハードオフの見解を見る限り、すくなくとも、平成18年3月14日の経済産業省の見解が出た時点で、幕引きをしたということですね。

いったいなんだったんだ。
この二ヶ月間の騒ぎは。

当面不要なものを買い急がされた中古ユーザーが一番の被害者だったんじゃなかったのかな?

で、その店員さんに、買い急がされて買った商品が、また、買取りに戻ってくるのでは、と聞いたところ、「そういうことも大いにあるでしょうね。」ということだった。

まあ、私は、五千円のコピー機を買っただけだったから、余計な金は使わなかったが、値引きはされたものの、当面不要なものを買ってしまったユーザーは、いまごろ、得したのか損したのかわからない、なんとも複雑な思いを、していることだろう。
 

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2006/03/02(Thu)
 
ドイツのバルティック海のRuegen島のオス猫がH5N1鳥インフルエンザ感染死したということで、今年の6月9日からドイツで開催されるワールドカップの日程にも、影響が出るかも知れないという話になってきた。
『Bird flu could disrupt World Cup - FIFA 』参照

FIFA会長の Sepp Blatter 氏は、「鳥インフルエンザがワールドカップに影響するというドイツ政府の判断が出れば、われわれは、その決定を尊重する。」とし、また、選手団の squad selection (チームメンバー選定)の締め切り期限についても、延長可能の含みも見せた。

この問題については、今月デュッセルドルフで開かれるFIFAのワークショップで議論される予定である。

Blatter会長は、「もし、この問題について、正式に表明があったら、3月半ばに開かれるthe FIFA organisation committeeで、論議されるであろう。」と、この問題を排除しないむねを表明した。

この問題については、先月も、ドイツ連邦議会農業委員会のヘーン委員長( Barbel Hohn)や、ドイツ経済大臣Michael Glos 氏が、その可能性について言及したのに対して、FIFAのGrondona副会長が明確に、その可能性を否定してきたのだが、ドイツでの鳥インフルエンザが猫にまで感染したという事態の進展で、FIFAも、ことの重大性を、やや、認識しはじめてきたといえる>
『Bird flu will not halt World Cup, says FIFA's Grondona』参照

なお、猫の鳥インフルエンザ感染疑い例は、今回のドイツが初めてのケースではなく、中国遼寧省で、昨年30匹の猫が死に、これが鳥インフルエンザによるものではないかと、疑われた例や、タイのバンコックの動物園で、数匹の猫にH5N1が検出された例や、一昨年2月に同じ時期に、タイやマレーシアやスリランカで野生の猫に、同じ遺伝子配列を持つウイルスが検出されたという例がある。
また、イラクでの感染例もあるとの報道もある。
参考
「Cat deaths not related with bird flu in NE China」
「Thai Veterinarian: Cat Found Infected with Bird Flu」
「Malaysia H5N1 Recombinant Between Wild Cat Bird Flu」
「Cat deaths raise fears bird flu may spread」

また、このサイト「Cats may carry the bird flu virus」は、オランダのロッテルダムのErasmus Medical Centerがリサーチしthe journal Scienceに発表した研究結果だが、猫が、鳥から人間への鳥インフルエンザウイルス伝染の媒介をしうるとしている。
論文名は「Avian H5N1 influenza in cats.研究者Kuiken Tほか」
その他参照サイト
「How cats catch bird flu」
「ProMED情報」

今回のドイツでの鳥インフルエンザ猫感染の事態について、 Recombinomicsでは、過去の例から見て、決して驚くべきことではないとしている。

このドイツのペット・サイト「catmom.de」では、ペット愛好家のためのQ&Aとして、「感染は、死んだ感染鳥肉を、猫がたべたことによる」として、『靴からの感染の可能性もないことはないが、可能性は低い。」とし、「猫は、室内にとどめることが必要」とし、また「ドイツの狩猟法の改正が検討されていて、それによると、人間の住処から200メートル以上先をうろついている猫については、銃撃が可能となる見通しである。」としている。

ドイツの新しい狩猟法については、『 German hunters under fire for killing domestic cats 』をご参照

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2006/02/28(Tue)
 
これまで、EUの会合などで、フランスやオランダの鳥インフルエンザワクチン接種について、疑義を示してきたイギリスだが、この段になって、必要とあらば、ワクチン接種も辞さず、との姿勢の変化を見せてきた。

本日、Margaret Beckett 環境大臣は、ファーマーズ・ユニオン(National Farmers' Union )のカンファランズの席で、次のように述べた。

「ワクチネーションの効果については、それが、鳥インフルエンザの発症をマスキングするのではないか、鳥インフルエンザウイルスを防ぐというよりも、広げることにつながるのではないかという点について、懸念はしている。

しかし、われわれは、ワクチネーション自体を排除するものではなく、その手法についても、検討中である。

家禽を屋外からおきないに移すという手段については、絶対的に感染を防ぐ方法とはいえないが、ウイルスを持った野鳥から家禽を守るためには、有効な手段であると考えている。

ワクチネーションが適切に行われるかどうかについては、いくつかの条件がある。

それは、三週間の間隔をおいて、二度、ワクチン接種がなされるという条件である。」

といった。

現在、イギリスでは、50羽以上の鶏を飼うものは、2月28日までに、政府に登録することになっている。

NFU(National Farmers' Union )会長のTim Bennett 氏は、

「イギリスの農民は、フランスのワクチネーション開始という現実を見ており、もし、これ以上のとるべき手段がなければ、バイオセキュリティの観点から、ワクチネーションに踏み切ってもいい、とわれわれに語っている。

もし、科学者がワクチネーションを勧めるのであれば、ワクチネーションの方向に従う。

もっとも、養鶏業にとって心配なのは、消費者からの信頼についてだ。

もし、ここで起きていることについて消費者からの信用を失うことがあるとすれば、それは、鳥インフルエンザの終焉ではなく、養鶏業そのものの終焉につながるであろう。

今回12月に、 Defraが養鶏業についてのデータベースを作成したことは、賞賛に値する。

どこに鶏がいるかということを知ることは、非常に重要なことである。

リスクのある地域がどこであり、そのリスクのある地域のどこに、鶏がいるかを知ることは、非常に重要なことであり、これによって、バイオセキュリティプランを適宜に得ることが、容易になる。」

という。

一方、イギリス政府の主任科学アドバイザーであるSir David King 氏は、フランスでHN1が検出されたことで、イギリスの鳥インフルエンザ感染の可能性が、非常に高まったと、警告する。

しかし、彼は、2001年の口てい疫蔓延に比べれば、鳥インフルエンザは、まだ、ましなのではないかと、楽観的である。

なぜなら、口てい疫と、鳥インフルエンザとでは、感染形態が異なるので、口てい疫のように、家禽の持ち主が、将棋倒しに崩れていくということには、ならないであろう、としている。

参照「Mass bird vaccination 'possible' 」

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2006/02/19(Sun)
 
2006年4月1日から、PSEマークがついていない2000年以前に製造の電機製品が中古販売できないということで、ハードオフなどの中古販売店では、先週末(ハードオフでは2月11日から、大幅値引き販売)から、特別価格で、これら対象製品の投売りを始めたようである。


イラクでどのように多くの航空母艦

一方、PSEマークの再認証で切り抜けようとしているところも、あるらしい。

海外製品でも、代理店がなかったり、すでに、製造元が解散してしまっていると、お手上げのようだが、そうでなく、サービスセンターが国内にある場合は、これでも、セーフらしい。

PSEの再取得には、費用がかかるから、その費用負担に見合った高級中古品なら、これでクリアできるだろう。

製造業資格をとって検査部門で、この問題を処理する業者もあるようだ。

もっとも、ジャンク品でも、電気系統が、使えなくなるくらいに壊れてなければ、違法とみなされる(極端に言えば、アンプの場合、音色を決める心臓部であるトランスまでもが、破壊されていなければ、ジャンク品とみなされない?)ようで、中古関連業界は、お手上げのようである。

対象製品は、こんなにある。

そんな業界と消費者の混乱に見かねて、音楽家・坂本龍一さんらが電気用品安全法(PSE法)に対する反対ネット署名を開始したとのことである。

これが、そのサイトである。

周知期間が5年間もあったため、期限切れ寸前で、この法律の問題性が急に表面化したようだ。

私としては、坂本龍一さんの考えに賛成だ。

特に、音楽再生のアンプやヴィンテージもののギターアンプなどには、芸術品に近いものもあるので、これらをただの廃棄物にしてしまうには、あまりにも、もったいない感じがしている。

レコード輸入権反対の時の同志よ、立ちあがれ!ーーなんてね。

追記1 2006/02/21

今回の問題で、音楽関係者の方々からの危機意識が強いのは、よくわかります。

で、レコード輸入権のときの状況との比較ですが、おっしゃるように、すでに法律があり、猶予期限が迫っているという状況ですから、かなりの違いがあるでしょうが、関係者が圧倒的に多いという意味では、かなりの同憂の士が多いという力付けにもなりえます。

ポイントは、「製造事業者」の概念拡張が可能かどうか、ということなのかとも思えます。

つまり、「PSEマーク適用外」の方法を考えるのではなく、いかに簡単に、再認証のかたちで「PSEマークを付すことができるか。」を主体に考えたほうが効率的であると思います。

電気用品安全法上では、製造事業者は、第三条で規定があり、その届出事業者が第十条で、PSEマークの表示をすることができるとなっています。

今年の3月31日で猶予期間が切れるのは、特定電気用品32品目、特定電気用品以外の電気用品287品目があります。

参照
「電気用品安全法のチャート」

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経済産業省は、問い合わせに対して、非公式見解での対応を薦めているようで、その非公式見解とは、一説によれば、次のようなことらしいのですが、経済産業省は、これが、公式見解なのかどうなのかを、はっきりさせていません。

すなわち、

「このうち、特定電気用品については、発火などの危険があり、再認証しPSEマークを表示させるためには、専門機関による適合性検査を受ける必要があるとされています。」
この点については、第9条(特定電気用品の適合性検査)からも、上記のチャートから明らかですね。

「また、特定電気用品以外の電気用品については、外観、絶縁耐力、通電検査についての自主検査を行う必要があります。
(ここでの意味は、絶縁耐圧試験については、技術基準(たとえば、音響映像機器の場合の適用規格は、IEC-J60065)10.3 絶縁抵抗及び絶縁耐圧(30ページ記載)に準拠する。ということで、いいんでしょうかね? 

「電気用品安全法第八条第1項」における技術基準については「電気用品の技術上の基準を定める省令」において、二つの規準「省令1項基準」と「省令2項基準」が定められていて、

前者の基準によるものとして、「附表第十 絶縁耐力試験 」(1000V/1分試験)」があり、
後者の基準によるものとして、「1200V/1秒試験」があります。

この「1200V/1秒試験」は、もともと、何によっているかというと、IEC(国際電気標準会議規格)の「付属書 ルーチン試験」に規定されています。

それら国際基準を国内基準としてみなすことが、「省令2項基準」であり、「2  経済産業大臣が電気用品の構造、材質等から判断して保安上支障がないと認めた場合は、前項の規定にかかわらず、経済産業大臣が認めた基準を技術上の基準とする。」とさだめられています。

さらに、「電気用品の技術上の基準を定める省令第2項の規定に基づく基準の制定について」(平成14・03・13 商第6号平成14年3月18日)において、「4 基準中で国際規格を引用する場合であって、表1、2及び3の中に当該国際規格に対応する基準がある場合にはこれを適用するものとする。」と定められています。

これらを経て、、IEC(国際電気標準会議規格)の「付属書 ルーチン試験」規定の試験方法が、「電気用品安全法施行規則」における「第十一条 検査の方式」における「同等以上の方法により行うこと。」とみなされる、ということになっているようです。

ただ、IEC基準では、この「1200V/1秒試験」を付属書の「normative(規準)」でなく、「informative(参考)」と書いてあることで、やや、混乱が生じているようです。

これについては、「J60065(オーディオ、ビデオ及び類似の電子機器−安全要求事項)の付属書N(参考)の取り扱いについて」との通達が出ています。

また、JISとの関連ですが、対応関係は、家庭用電気機器については、「JISC9335-1とIEC 60335-1(日本ではJ60335-1)」であり、オーディオ機器については、「JISC6065と、IEC 60065(日本ではJ60065) 」でありますが、時間的なずれによって、必ずしも、JISが完全にIECに即座に一致するということでもないようで、そこに若干の時間的なずれが生じる場合もあるようです。です。

この辺については、このサイト「J60065(オーディオ、ビデオ及び類似の電子機器−安全要求事項)の付属書N(参考)の取り扱いについて」

このサイト「耐電圧(withstand voltage)」

このサイト「 IEC60065第7版に整合したJIS原案」
あたりに詳しく書かれていますね。
(後記-2006/04/28-この点について、非常に誤解が多いので、私の別のブログ「家庭用及びこれに類する電気機器の試験について」で、この点に絞り、詳しく解説しておきました。)

まず、経済産業省の出先機関に対して、事業者の届出をし、外観、絶縁耐力、通電検査について、自主検査を行う必要があります。

この検査には、たとえば、このような耐電圧試験器を使う必要があります。(この耐電圧試験機を作っている国内メーカーには、東亜ディーケーケー株式会社、鶴賀電機株式会社、日置電機株式会社、菊水電子工業株式会社の4社がある。)

その上で、1千ボルトの通電試験で漏電しないことを確かめますが、電気用品の品目、区分、構造、材質や性能の概要、検査を行った年月日と場所、検査の実施者、検査を行った電気用品の数量、検査の方法、検査結果などを記録し、その記録を3年間保存をします。」

ということらしいのですが。

絶縁耐力検査の方法については、こちらのサイト「絶縁耐力検査の方法」に詳しく書かれています。

しかし、上記の『経済産業省の見解』と称せられるものには、論理上の欠陥がありますね。

電気用品安全法をどう見ても、上記のような見解が引き出せるはずがないのですから。

ちなみに、電気用品安全法では、届出事業者というのは、第3条での「電気用品の製造又は輸入の事業を行う者」となっており、その届出事業者が型式認定の資格を持ち、検査などによる認定の後、PSEマークを張ることになっている、となっています。

つまり、届出事業者は、第27条で販売の制限を受ける事業者の一部ではあるが、全部ではないということですね。

第27条で販売の制限を受けるものは、「電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者」となっており、第3条での『届出事業者」に、さらに、「又は販売の事業を行う者」が付加されている形になっているのですね。

理屈っぽいことを言えば、むしろ、経済産業省さんに、「「第27条 電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者」のうちの「販売の事業を行う者」−今回の問題の場合は、中古業者ということになりますが。-が、どのような要件を備えていたら、第3条での「電気用品の製造又は輸入の事業を行う者」になれて、型式認定の資格を有し、検査でき、PSEマークを張る資格を有するのか。」これを公式見解で示していただければ、いいのです。

ある野党議員に対して、経済産業省の担当課長さん(名前は書いてありませんでしたが、経済産業省商務情報政策局消費経済部製品安全課 の課長さんのことなんでしょうね。)が「製造事業者の申請は、自分が製造事業者であると「自覚」し、「届出」をすれば「製造事業者」となる。」といわれたそうですが、本当でしょうかね?

製造行為をしていない販売業者が、何を持ってすれば、「製造事業者であると「自覚」」することができるのでしょうか? だんだん、噴飯ものになってまいりました。

「中古品に電気的加工(ヒユーズ交換など)を施せば、販売業者であっても新たな製造事業者としてPSEマークを貼って販売できる。」などという、経済産業省の見解があるなどという話もありますね。

自主検査の外部委託について、経済産業省さんは、このサイト「電安法に規定されている自主検査の外部委託について」で、「自主検査の外部委託(アウトソーシング)は可能だが、その当該電気用品の製造、自主検査等についての電安法上の責任なり、法律上の義務の履行の責任はあくまでも届出製造事業者にある。」としていますね。

で、そもそも、販売業者が届出製造事業者になれるのかどうかの肝心な部分については、書かれていない。

しかし、それでいいとしても、「電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者」をかねる大手の中古販売業者と、「販売の事業を行う者」だけの中古販売業者とでは、格差がついてしまいますね。

それに、第3条と第27条に出てくる「輸入の事業を行う者」と「製造を行う者」との関係なり定義が明確ではありませんね。

いったい、「輸入の事業を行う者」は、第3条に基づいて、届出事業者になった後は、どの範囲での型式認定を行うことができるのでしょうか。

輸入総代理店の契約の相手方にある海外の製造業者の製品のみの型式認定に限定してのことなのでしょうか? 

この経済産業省さんのご見解「輸入後の改造・修理」では、「輸入業者が販売業者でもあり、修理を行う場合は、届出業者になる必要がある。」との見解であるが、その範囲については、書かれていない。

ここにも、この法律の矛盾点が出てきてしまいましね。

つまり、この法律は、新しい製品が海外から日本に流通してくることを想定しているものであり、中古海外品の日本国内再流通は、想定していなかったんですよね。

このサイト「電気用品安全法の概要」を見ると、そのことがよくわかります。

ここで、「(1)製品流通前の措置」として、「事業届出→適合性検査→表示」があって、「販売の制限」があって、「(2) 製品流通後の措置」として「報告の徴収→立入検査等→改善命令→表示の禁止」というスキームになっていますね。

で、この場合、「輸入の事業を行う者」は、「製品流通前」にかかわりあった製品についてのみ、、「販売」にかかわりあうというスキームになっていますね。
こちら『電気用品取締法改正について』もご参照

輸入総代理店と、並行輸入業者との格差が、ここにもできてしまいかねないように、見受けます。

これは、総代理店と並行輸入とのイコール・フッティングを目的とした独占禁止法がらみの問題や、海外の商標権が、どこまで及ぶかという問題などにもかかわってきかねませんね。

たとえば、海外の超高級音響機器で「カウンターポイント」というブランドが、かつてあったのですが、ここは、すでに、海外の製造元は、倒産して、なく、日本総代理店も、なく、部品供給に関しては、かつての代理店である「ノア」が行っている、ということになっています。

これらの海外製品については、どのようなことになるのでしょう。

また、ヤマハの修理センターでは、旧法当時の製品で、「電気取締法基準品」との表示のアル自社製品については、即座に、PSEマークを付してくれるとのことだが、これは、果たして、IEC国際規格に準拠という新法の理念に合致したものかどうか、ユーザーとしては、不安な点ではある。

それ以外でも、上記『経済産業省さんのご見解』らしきもので、よくわからないのは、単に、そのような絶縁耐力計による絶縁についての検査だけでいいのか、それとも、技術基準(たとえば、音響映像機器の場合の適用規格は、IEC-J60065、この基準は、International Electrotechnical Commission規格 (IEC規格) 60065に対応している。米国規格はUL6500)に適合しているかどうかを検査する必要があるのか、どうかの点についてです。
参照「オーディオ、ビデオ及び類似の電子機器−安全要求事項」
その他の製品の技術基準については、『電気安全に関する基準』をご参照

電気安全に関する基準については、「経済産業省 電気用品の技術上の基準を定める省令第2項の規定に基づく基準について」や「電気用品安全法の技術基準の改正」や「Understanding the How and Why of Electrical Product Safety Testing」などをご参照

本来、型式認定とは、IEC規格に準拠させることで、実質的に、民間活用による規制緩和が果たせるということであるならば、「IEC規格準拠」は、たとえ、「特定電気用品以外の電気用品」についても、必須の要件になりうるはずですが。

経済産業省さんは、届出業者がPSEマークを貼る場合になすべき、この「適合基準の確認義務』の中身をガイドラインとして示すべきです。

そこで、製造業者の範囲と、特定電気用品以外の電気用品については、自主検査のマニュアルを示しうるガイドラインを経済産業省に示すように、働きかければ、多くの問題は解決しうるのではないかとも、思えます。

問題は、すでに製造業者が存在しないものを、どこで再認証するのか、自力で再認証の体制がとれない個人オークションや零細中古店の場合は、どうするのか、などあるかと、思います。

また、ハードオフのように、対象商品を、販売可能期限切れの3月31日までに特別価格で売り切った場合の税法上の扱いとしては、次のように考えられます。

期限切れの商品をそのまま、売却せずに棚卸商品として、持ち越した場合は、
廃棄損または減耗損 として、計上可能となり、

また、減価償却資産を処分した場合には、
減価償却資産の評価減は臨時損失(火災や天災によろ物質的減価)または臨時償却 (市場環境等の技術向上等による機能的減価)が認容され、売却損や除却損が計上可能となるようです。(法人税基本通達 第9章その他の損金 第1節 資産の評価損 第2款 棚卸資産の評価損 第7章減価償却資産の償却等 第7節 除却損失等第2款 総合償却資産の除却価額等)(検索・所得税基本通達 )

こちらのサイトも、ご参照
「PSEマークのない電気用品 期末評価が問題に〜売買の可能性があり、棚卸の評価損の計上は困難」

こうしてみてみると、他の部門で利益が出ている会社は、今回のような売り切り処分でも、損はしていないようですね。

もともと、この法律の背景には、背中合わせに、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)があり、再生部品の活用という思想がある、とのことからすれば、動脈産業と静脈産業との間のグレーゾーンの領域の救済なり活用というところに、当時の関係者が考えおよばなかったところに、今日の混乱があるとすれば、動脈産業でも静脈産業でもない、グレーゾーンの製造業者の概念を、この問題を契機に、拡大する必要があるものと思います。

参考
「電気用品安全法 手続の流れ 」
「電気用品名の確認 」
「行為内容の確認」
「事業届出」
「基準適合確認 」
「自主検査」
「検査の方式(電気用品安全法施行規則 別表第三) 」
「表示 」
「経過措置の 終了に伴う電気用品の取扱いに関して」
「旧電気用品取締法と新電気用品安全法の対比表」

追記2 ノーアクション・レター制度の活用(2006/02/22)

私の掲示板での小倉秀夫弁護士さんとのやり取りのなかで、小倉弁護士から、この問題についての「ノーアクションレター制度」(行政機関による法令適用事前確認手続き)の活用を提案されている。

民間事業者等が自ら行おうとする「具体的な行為」について、法令(条項)に基づく(1)不利益処分適用の可能性(2)許認可等の必要性と罰則の有無(3)届け出・登録・確認等の必要性と罰則の有無――といった点について、あらかじめ行政機関に見解を求めることができるというものだ。

国会議員からの質問主意書では、どうしても、政党間の思惑に翻弄されて、市民サイドでは、得るものが少ないし、それに加えて、今回の場合は、かつての当該立法の当事者が、トートロジー的役割を果たしてしまうという矛盾がある。

現在、署名活動に実際動いていらっしゃる日本シンセサイザー・プログラマー協会(JSPA)さんあたりで、このノーアクションレター制度を活用することなどが、ベストのような感じがしている。

「ノーアクションレター」
「法令適用事前確認手続」
「法令適用事前確認手続(いわゆる日本版ノーアクションレター制度)とは?」
「経済産業省における法令適用事前確認手続」

追記3.電気用品安全法の問題の原点は、改訂版規制緩和アクション・プログラムにあり。(2006/02/23(Thu) )

電気用品取締法から電気用品安全法にいたるまでには、長い歴史がある。

そもそもの論議の発端は、Technical Barriers to Trade (TBT) 「貿易の技術的障壁」問題に発している。

貿易への障壁となりうる規制、基準(包装、標示、表示義務等)、検査、認証手続き、その他の非関税障壁をなど、技術的障壁に関するウルグアイ・ラウンド合意(貿易の技術的障壁に関する協定、TBT協定)のもとで、WTO加盟国は、工業製品および農産物の双方に適用するこうした措置の利用についての規律に合意している。

  
国内においては、市場開放問題及び輸入の円滑化に関する具体的苦情をうけつける市場開放問題苦情処理推進会議での論議から始まった。

輸入手続等を含む市場開放問題及び輸入の円滑化に関する具体的苦情(対日直接投資の手続、サービス、政府調達分野の手続等を含む)の受付・処理を行うことを通じて、日本の市場開放・市場アクセス改善を図るために、日本政府が経済対策閣僚会議」の決定に基づいて1982年1月30日にOTO推進会議(市場開放問題苦情処理推進会議)が創設された、1994年2月1日の閣議決定により一層の体制整備が行われてきた。

1994(平成6)年2月1日の閣議決定の元に、同年2月25日に内閣府にOTO推進会議(市場開放問題苦情処理推進会議)苦情処理部会が設置され、2000(平成12)年3月16日に、「基準・認証制度等に係る市場開放問題についての意見 」がまとまった。
「市場開放問題苦情処理推進会議議事要旨 」

これにいたるまでに、市場開放問題苦情処理推進会議においては、

1995(平成7)年11月27日には、専門家会議に順次取り上げるべき案件として「電気機器の防爆基準の相互認証」が取り上げられ、

1996(平成8)年11月29日には、「我が国の基準・認証制度等に関する外国人事業者等からの問題提起」として、東京商工会議所 より「電気用品の規格の国際的整合化・相互承認 」が提言され、

1997(平成9)年5月16日には、委員から「電気用品取締法においては自己認証の乙種についてマークはないが、今度のJIS改正にあたり自己認証した場合の表示の方法はどうするのか。」 との意見が出され、

1997(平成9)年5月20日には、第2回報告書の再フォローアップ案件として「電気・電子製品の認証手続き改善」が取り上げられることになり、委員から「電気用品の甲種から乙種への移行を進めることは評価でき、今後もその作業を進めていただきたい。・ 流通機関等に対し、第三者認証が義務付けられているという印象を与えているとすれば、国の規制が緩和されたにもかかわらず不透明な非関税障壁となってしまう。特に流通機構等に対して適切な情報提供をお願いしたい」との意見があった。

一方、OTO推進会議専門家会議においては、

1996(平成8)年2月16日には、電気機器の防爆基準の相互認証と輸入事前申告制度の導入についての審議がなされ、問題の所在として、「IEC規格に適合している電気機械器具の我が国における認証のあり方」「指定外国検査機関の拡大」、「相互認証の推進」が提起され、これについて、 次のような問題提起がなされた。

「(問題提起内容)
・我が国の電気機械器具防爆構造規格は、国際規格であるIEC規格と整合化されているはずだが、外国の検査機関で認証を受けた製品についても、我が国に輸入し、使用するためには、社産業安全技術協会による型式検定を要し、時間がかかり、かつ、経費の負担になる。また、日本語による申請書の作成等も負担である。
・IEC規格又はそれと内容的に同一であるEUのCENELEC規格に適合している旨外国の検査機関で認証した場合は、そのまま我が国でも使用できるようにすべき。
・例えば、耐圧防爆容器のプロセス配管壁に係る規定の解釈の相違により、 EUの検査機関によって認証されたものであっても、我が国で型式検定を受ける際、複雑な改造を余儀なくされた。こうしたことは検査基準の相互認証によって解決可能ではないか。」との問題提起がされた。

これに対して、所轄官庁からは、対処方針が説明された。

その上で、議長から、下記のような議論の総括がなされた。

(議長の総括)
・本件に関する審議の方向性は極めて明確であると思われる。
1我が国の防爆構造規格がIEC規格と整合化されているものであれば、I
EC規格またはそれと整合化されている外国規格と適合している旨外国で
認証を受けた製品については、我が国の型式検定に合格したものとみなす
べきではないか。
2また、そうみなせないのであれば、我が国の規格をIEC規格に真の意味
で整合化することにより、型式検定を不要とすべきではないか。
3以上により、型式検定制度の対象とするのは、IEC規格またはそれと整
合化されている外国規格適合への認証を受けていない製品のみに限るべき
である。
4検定が必要な場合には、指定外国検査機関制度を積極的に広報するなどに
より、外国検査データの受入れをより積極的に推進すべきではないか。
5外国検査データの受入れについて、外国の公的機関が認定した検査機関の
データも受け入れるべきではないか。
6IEC規格以外の規格に基づき製造された製品についても、積極的に相互
認証を行うことにより、日本において型式検定を行わないでもすむように
すべきではないか。

これらの詳細については、『OTO推進会議平成7年度第5回専門家会議議事要旨』をご参照

さらに、OTO推進会議専門委員会合が1998(平成10)年7月24日開かれ、
「総点検重点対象案件の選定」のなかに、「電気・電子製品の認証手続の改善等」と「電気機器の防爆基準の相互認証」が含まれることになった。
「Recommendation on Market Access Issues as concerns Standards, Certifications and others も参照

これらの論議と並行して、改訂版規制緩和アクションプログラムができたのは、1996年3月のことだが、この中で、電気用品安全法について、国際基準とのハーモナイゼーションとして次のように書かれている。

「規制緩和推進計画の改定について 」平成8年3月29日閣議決定

「エ 基準・認証・輸入等関係
 国際的に開かれた経済社会を実現するため、規格・基準の国際的整合化及び相互 承認制度の導入を図るなど基準・認証等制度の見直しを進める。また、輸入手続の一層の簡素化・迅速化を推進する。」
参照

「Revision of Japan's Deregulation Action Program (April 1996)」も、ご参照
「5.標準に関するエネルギー設備

電気設備産業に使われている発電機、変圧器、その他の設備については、the Electricity Utilities Industry Law.の元での通産省条例をペースにした技術規格に適合することを求められている。

1996年財政年度末までに、技術規格の改正が進行中である。

パフォーマンスをベースにした技術基準の統合と、IEC国際規格とのハーモナイゼーションにもとずいて、他の諸国との基準との調和を考慮してのものとなる。」

それまでの規制改革の動きについては、『規制改革推進3か年計画以前の取組み』をご参照

このアクションプログラムが作られたのが、平成8年(1996)で、この後、平成11年に旧電気用品取締法の改正が行われ、平成13年4月に、電気用品安全法が施行された。

この規制緩和推進計画は、平成9年3月28日に再改定となり、新規制緩和推進3ヶ年計画(平成10年3月閣議決定)に基づき改正にかかわる検討が行われた。
参照「規制緩和推進計画の再改定について」
この中で「エ 基準・認証・輸入等関係 国際的に開かれた経済社会を実現するため、規格・基準の国際的整合化及び相互承認制度の導入を図るなど基準・認証等制度の見直しを行う。 また、輸入手続の一層の簡素化・迅速化を推進する。 」とされた。

一方、通商産業大臣の諮問機関である産業構造審議会では,基準認証部会を設置し,1998(平成10)年以降,基準・認証制度の在り方について検討を進め,1999(平成11)年1月通商産業大臣に、答申を行い、その中で、「今回の見直しは、「安全レベル等の低下を引き起こすことなく」また「規制の合理化を行うものであり、法改正にあたっては、それに伴う事業者の負担の増加を極力最小限に抑えるとともに、十分な経過措置をとる等の配慮が必要。」とした。
参照「基準・認証制度見直しの考え方 」

平成11年8月6日に「通商産業省関係の基準・認証制度の整理及び合理化に関する法律」が公布され、電気用品取締法を含む11の法律が見直された。

平成12年12月12日、行政改革推進本部規制改革委員会は、「規制改革についての見解」を出し、この中で、「14 基準認証・保安 」として、この中で『今回電気用品安全法の制度変更については、ポジティブリストの型式区分や表示方式について、事業者側への事前の十分な説明と、できる限り負担を軽減するような配慮が不足していた感は否めない。 したがって、型式区分については、技術革新等に対応し今後も適宜事業者の意見を取り入れ、合理的に変更していくとともに、優良事業者には、検査方法や記録保存の形態等について負担を軽減する等の措置を検討すべきである。 』とした。


食品のどのような種類は、グロスター州郡で生産されています

これにより、電気用品取締法は平成13年4月1日から法律の名称も「電気用品安全法」に改称され、施行され、今日に至っているというわけだ。
『電気用品取締法改正について』
「電安法の概要」ご参照

当時の『旧電気用品取締法』にかかわる規制緩和課題については、「通商産業省の所管行政に係る規制緩和要望事項及びその検討状況」のなかの「基準・規格・認証・輸入関係【基準・規格・認証」の項をご参照。

次のようなものが課題となっていた。

・電気用品取締法の型式認可の更新
・「特定電気用品」品目の限定化
・電気用品技術基準の国際基準への整合化
・電気用品取締法に関する認証システムの簡略化
・電気用品の技術基準適合検査方式・記録保存の規制緩和
・電気用品の表示方法の見直し
・電気用品取締法・技術基準と日本工業規格(JIS)の一本化
・電気用品取締法に基づく技術基準及びJIS のIEC規格との調和

つまり、これも、郵貯と同じような、外圧に迫られての急ごしらえの『改革』だったというわけだ。

以下は英訳したアクションプログラム「Revision of Japan's Deregulation Action Program (April 1996)」の当該部分の原文をご紹介します。

「5. Energy Utilities Related Standards
Generators, transformers, and other electrical equipment used by electricity utilities industry are required to meet standards stipulated in the Technical Standards (MITI ordinance based) on the Electricity Utilities Industry Law. Work is under way to revise the Technical Standards by the end of fiscal 1996. Incorporation of performance-based standards in being studied, and harmonization of standards with those of other countries in considered on the basis of harmonization with the International Electrotechnical Commission (IEC) standards」

追記4.再生修理と、製造物責任法・特許法・商標法との関係(2006/02/24(Fri) )

電気用品安全法の第三条で規定される製造事業者が、技術基準にもとずく検査をし、これに、届出事業者が第十条にもとずいてPSEマークの表示した場合、マーク表示後の製造物責任はどこにあるのか?

という点であるが、製造物責任法では、やや、グレーゾーンのようである。

このサイト「PL法について 」によれば、製造物責任法における、損害賠償の対象となる『製造物』とは、「製造又は加工された動産」と定義されている。

「修理」「修繕」「整備」は、、「製造又は加工」には当たらず、製造物責任法は適用されない。

一方、、「再生品」とは、「劣化、破損等により修理等では使用困難な状態となった製造物」であり、これは、当該製造物の一部を利用して形成されたものであるので、基本的には「製造又は加工」に当たると評価される。

ということだ。

ここまで書いてきて、そういえば、思い出した判例があった。

以前、私のブログ記事「工程や、工程とソフトウエアの組み合わせ、または、ソフトウエアについての特許の考え方について」にも、一部書いたことなのだが、修理と再生産の問題である。

いったん特許権者により適法に販売され,流通過程におかれた特許製品が,譲受人等の使用により破損又は消耗した場合に,当該特許製品の譲受人等が破損又は消耗した特許製品の一部を交換して,再度,当該特許製品を使用できる状態にする行為は,特許製品の「生産」(特許法2条3項1号)にあたり,特許法上許容されない特許権の実施行為として特許侵害にあたるという論がある。
参照「消尽論と修理/再生産理論に関する日米の判例の状況」

ここで、特許法上許容される「修理」と特許法上許容されない「再生産」があるということである。

部品を交換する行為が「修理」にとどまるのか,特許法上許容されない「再生産」に当たるのかという枠組みのもとで司法判断がされている。

代表的な判例としては、「使い捨てカメラ事件」(東京地裁平成12年8月31日判決)(特許権侵害を認めた判決)と「インクタンク事件」(東京地裁平成16年12月8日判決)(特許権侵害を認めなかった判決)がある。
(両者の判決の対照的な点について述べたサイトはここご参照)

たとえば、今回の電源部をPSEマークの表示を目的として、修理をしたり、絶縁部などを補強をしたりする場合、それが、修理に当たるのか、再生産に当たるのか、微妙になってくる。

同時に、この解釈は、製造物責任法の「製造又は加工」にあたるのかどうかの解釈にも、関係してくるのではなかろうか。

商標法違反の可能性もある。

アステカ事件(東京地裁平14.02.14)は、中古品を改造した商品について、消尽論が適用されるかどうかが争われた裁判であるが、これについて、司法判断は、
「Yが行った行為は、原告商品に修理を加え、かつパチンコホールでも日常的に行っているコイン払出率の調整を行っただけであって、中古品の転売行為と変わらない行為であると主張する。しかし、七号遊技機と八号遊技機が風営法上異なる規制を受ける遊技機であり、別個の種類の遊技機として扱われていることは、前記のとおりであり、また、前記(1)〔省略〕認定のとおり、Yが原告商品の中古品に施した改造の内容は、修理や清掃にとどまるものとは到底いえないものである。Yの主張は、採用することができない。」とされている。

ここでは、『原告の意図しない改造行為については、消尽論を認めない。』という解釈である。

この意味では、届出業者が、PSEマークをつけるために、どの程度の電源部の改造を必要とするかが、ケース・バイ・ケースで、予測できない以上、消尽論が認められるか、認められないかは、判断できず、したがって、経済産業省は、「届出業者によるPSEマーク貼り付け・再販行為について、一律、消尽論を認める。』という、公式見解は、示すことはできないものと思われる。

このように、今回のPSE問題を、権利の消尽論からみてみると、この朝日新聞の記事のように「レンタルによって、PSE問題をきりぬけよう。」というのも、グレーゾーンに入ってきてしまうような感じがする。

「育苗ポットの分離治具及び分離方法」訴訟(2001年4月12日大阪地裁判決、2003年5月27日大阪高裁判決)では、退けられたようだが、どうなのだろう。

また、PL法がらみのグレーゾーン問題では、PL法は、「その製造業者等が当該製造物を引き渡した時から10年を経過したときに損害賠償請求権が消滅」ということだから、「リサイクル事業者が適合検査をした時点で製造事業者とみなす」というのが、経済産業省さんのご見解であるとするなら、中古流通時点で、製造業者が入れ替われば、PL法の起算点が、その時点に成り代わるのどうか、という点も、たしかめなければならないようだ。

いずれにしても、1996年3月31日から2000年3月31日の間に製造されたり製造物を引き渡された中古品に関しては、損害賠償請求の相手先が、二人いるような、それとも、二人ともいないような、微妙な立場をせまられることになる。

2006年3月1日の衆議院予算委員会8分科会における共産党の塩川鉄也議員の質問に対して、経済産業省の迎(むかえ)商務流通審議官が、「中古品の製造前・製造後というのは、マークをつけなおした時点」という意味の答弁をされていた。

迎商務流通審議官の発言の詳細は、下記のとおり。

「えー、再々、申し上げておりますようにですね。あの、先生の今ご指摘のその資料においてですね、流通前の規制というふうな部分と、ですね、流通後の規制というふうなことに分けて書いた説明資料というのが、まあ、あるわけでございますけれども、これは、その、中古品で、ですね、もう一度、販売の段階に戻れば、ですね、これは、その、資料の中の流通前の措置に該当するという風にかんがえられるわけでございまして、ですね、まあ、その、それを持って、その、中古品は対象外と考えていたというふうなことでは、あの、ございません。」

このビデオご参照)
「ご指摘の資料」というのがこれ「電気用品安全法の概要」

となると、製造物責任法の賠償責任で第5条「期間の制限」10年間の起算点は、製造からではなく、PSEマークを付け直したときから始まるということになります。

となると、1997年から2000年にかけて製造された特定電気用品以外の電気用品287品目については、PSEマーク付け直し業者が製造物責任法の法的責任を負うということになってしまう。

以上のことから、「中古品に中古業者などが独自に試験をして元の製品の製造業者とは異なる名義のPSEラベルを貼ることは違法か合法か」との判断を迫られれば、『違法である。』との見解しか、出てこないような気がする。

ご参考「用尽理論と方法特許への適用可能性について」

追記5.PSEマーク規制くぐりの、裏の手伝授まで、横行している(2006/02/24(Fri) )

「PSE法を乗り切る知恵」というのだが、さて、どんな奥の手なのだろうか。

このサイトを見た限りでは、「古物商許可」のみでOKとの手法のようだ。

この古物商許可というのは、意外と簡単で、近所の警察に届けて、また、近所の古物商組合に加盟すればいいらしい。

古物営業法は、このサイトご参照

想像されるのは、ユーザーが、簡単な手続きで、古物営業許可申請手数料 19,000円 を納付し、古物商そのものになってしまということだ。

こうなると、ユーザーと中古販売店との間の取引は、古物営業法第二条二項(古物市場(古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいう。)を経営する営業)にもとづく取引となってしまう。

同時に、販売店のほうは、古物商であると同時に、質屋営業許可申請手数料 25,000円 で、質屋許可も取ってしまうと、擬似的質流れのスキームによる取引が可能となってしまう。

ただ、このスキームだと、流質を前提としての擬似質入れで、仕入れの流れのほうはいいが、販売のほうは、どうするのだろう。

質屋営業法第19条(流質物の取得及び処分)に
「質屋は、古物営業法(昭和24年法律第108号)第14条第2項の規定(古物市場においては、古物商間でなければ古物を売買し、交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けてはならない。)にかかわらず、同法第2条第2項第2号(2.古物市場(古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいう。以下同じ。)を経営する営業)の古物市場において、流質物の売却をすることができる。」
とあるあたりが、ミソなのかも知れない。

つまり、買い手であるユーザーは、古物商の資格で、古物市場での取引との名の下に、質屋の資格を持つ売り手から、質流れとの名目を持つ、PSEマークのない電気製品を、古物として、購入する。

いやはやである。

追記6.PSEマーク規制問題で、盛り上がるのは、いいのだが、やれることと、やれないことの区別だけはしておかないと。(2006/02/25(Sat) )

PSEマーク規制問題で、一部、ブログで、盛り上がっていのは、いいのだが、やれることと、やれないことがゴッチャになって、論議されているのが気になっている。

特に、政治家ブログでは、そのことをきちんと、説明する責任がないと、マッチポンプになってしまいかねない。

で、3月31日までにやれないことから、リストアップしていくと、

無理なこと
1.法案改正・修正
2.特定電気用品を対象とした菱形のPSEマーク問題

無理ではないが、実効性に乏しいこと
国会の場での委員会質疑や質問主意書などによる経済産業省からの対策方針引き出し-「内閣は、質問主意書を受け取った日から7日以内に答弁」ということだが、昨日の経済産業委員会での経済産業省の見解以上のものを引き出すことは、むずかしい。

有効なこと
「ノーアクションレター制度」(行政機関による法令適用事前確認手続き)の活用による行政見解提示

ということで、行政機関による法令適用事前確認手続きを早急に採ることが、唯一の残された道のようである。

この手続きを経ていれば、たとえ、違法取引の疑いで、警察に摘発されても、その対抗要件になりうる。

しかし、この制度とても、「各省庁は原則として照会を受けてから30日以内に回答するとともに回答後30日以内に省庁のホームページにおいて、事後的に照会内容および回答内容を公開しなければならない。」ということだから、見切り発車の可能性も、現時点では、多分にあるということだ。

要は、経済産業省が、中古機器に対してのPSEマーク規制についてのガイドラインを公式に出していただくしか、現状では、手はないようだ。

また、この問題には、特定電気用品を対象とした菱形のPSEマーク問題と、特定電気用品以外の電気用品を対象とした丸型のPSEマーク問題とがあるのだが、前者については、無理としても、後者について、再認証についての経済産業省の公式なガイドラインがほしいわけだ。

このハイファイ堂のサイトのように、「ハイファイ堂のPSEマーク」とかいって、独自のPSEマークをつけ「これで、クリヤーOK」といっているところもあるのだが、しかし、製造物責任法や、特許法との関係の観点から、厳密に見て、これでもってクリアーされているとは、どう見ても、思えないのである。

後日のトラブルや消費者保護の立場から言えば、これについても、厳密に法的なクリアーができる、経済産業省の見解がほしいところである。

やはり、ポイントは、「PSEマーク再認証は、特許法上許容される「修理」なのか、特許法上許容されない「再生産」なのか」、ということになるのだろう。

世上、経済産業省の見解といわれている「設計・製造と保守・修理」を同一概念と見ているような見解では、この特許法上許容される「修理」なのか、特許法上許容されない「再生産」なのか、という設問には、答えられないことになってしまうからだ。

追記7.PSE問題-再び、「やれることと、やれないことの区別だけはしておかないと」(2006/03/03 )

以前に
「 PSEマーク規制問題で、盛り上がるのは、いいのだが、やれることと、やれないことの区別だけはしておかないと。」
と書いて、一部に反発を食らっているのだが、しかし、政治家の一部ブログに、このような、政令改正に期待を持たせるような記事があったので、『これは、ちょっと、酷だな』と思って、再度、あえて書くのだが。

この記事では、経済産業大臣に対して、「電気用品安全法の本格施行を急がず政令改正により猶予期間を設け充分な議論をすべきではないか。』との質問に対して、大臣が、「今、一生懸命やっている。しかしあと1ヶ月しかないが、とにかく全力でやる。しかし、最後の最後どうにもならなくなったらその時はご相談する」と答えたことで、一部に、政令改正ができるような妄想がわいてしまっているようなのだが。

しかし、この電気用品安全法において、PSEマークの表示を一定期間猶予する規定は、下記のように、非常にややこしいのである。

政令改正なんか、そう簡単にできる代物ではないのである。

「付表の中の数字を5から6に」なんてことは、整合性からいって、できない。

だから、今、できることは、このブログでも言っているように、

〃从兒唆半覆紡个靴橡[疆用事前確認手続をとり、コンプライアンスのセーフティゾーンを明確にすること、

◆嵌稜箒伴圓、届出業者になれるためのガイドライン」と、「販売業者が届出業者になった後、PSEマークを貼ることができるためになすべき「適合基準の確認義務』の中身が何かについてのガイドライン」を、経済産業省に示してもらうこと、

この二つしか、残された期間ではできないのである。

やはり、ここでも、できることと、できないことは、明確にしないと、ユーザーなり中古業者に、無用の期待感を持たせ、ひいては、自らやるべきことを、政治家任せにしてしまうことになり、悔いを残させることになると思うのだが。

こんなことをいって、また、反発を買うのかな?

参考
PSEマークの表示を一定期間猶予する根拠規定

1.電気用品安全法
(経過措置)第55条 「所要の経過措置を定めることができる。」

2.電気用品安全法施行令  附則(平成一二年三月二九日政令第一三五号)
(電気用品取締法施行令の一部改正に伴う経過措置)
第二条  通商産業省関係の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律(「整理合理化法」)第十条の規定による改正後の電気用品安全法第三条の規定の適用については、同条中「事業開始の日」とあるのは、「電気用品取締法施行令の一部を改正する政令(平成十二年政令第百三十五号)の規定の施行の日」とする。 

(整理合理化法附則第四十九条の政令で定める移行電気用品及び期間)
旧電気用品取締法に係る移行電気用品については、電気用品安全法第十条第二項の規定にかかわらず、整理合理化法第十条の規定の施行の日から起算して一年間を経過する日までの間は、旧電気用品取締法第の規定による表示を付することができる。

前項の規定による表示は、整理合理化法第十条の規定の施行の日から起算して附則別表に掲げる移行電気用品ごとのに期間を経過する日までの間は、電気用品安全法第十条第一項の規定により付された表示とみなす。

3.電気用品安全法第十条第一項
(表示)
届出事業者は、その届出に係る型式の電気用品の技術基準に対する適合性について、第八条第二項の規定による義務を履行したときは、当該電気用品に表示を付することができる。

4.通商産業省関係の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律(平成11年法律第121号。「整理合理化法」)
整理合理化法第十条の規定の施行の日

追記8.なんか、このブログの表題、変えたくなってきましたね。2006/03/04

というのも、JSPA日本シンセサイザー・プログラマー協会が、2月28日付けで、「電気用品安全法に関する活動方針」なるものを発表したことにある。

なんと、そこには、意外な一言が。

「『請願内容』

「音楽家の制作業務に関係する機器機材の適用記載より『適用除外』を請願する。」

つまり、自分たちの関係する電気機器だけ、ポジティブリストからはずしてくれという、イジマシイ要請なのである。

何じゃ、これは、詐欺的署名集めだな、

最初の署名集めでは、そんなこと、一言も書いていなかったじゃないか。

おそらく署名した2006/3/4/13:05 までの署名累計数 68761 名 の中には、非音楽関係者もいたに違いないし、そのような矮小化した要望のために、署名したわけではなかろうが。怒!!怒!!怒!!

追記9.小倉秀夫弁護士から、下記のような提案が。(2006/03/05)

上記のようなことで、JSPA日本シンセサイザー・プログラマー協会の対応に怒り心頭のところに、小倉秀夫さんから、この問題について「電気用品安全法に関して、陳情ないし交渉のポイント」というエントリーを立ち上げたという連絡があった。

「例外承認の申請」制度を活用しようとの提案である。

かねてから、小倉秀夫さんからは、上記にあるとおり、「ノーアクション・レター制度の活用」のご提案をいただいており、私も、この方向に賛成だ。

ただ、この例外承認に当たる条件は、下記のように限られているのが、ちょっと、難のようだ。

(1)基準適合義務等(法第8条第1項第1号)の例外承認

ア 外国旅行者、外国人観光客のみやげ用モデル(ツーリスト・モデル)であって、外国の規格に適合しており、外国で使用されることを前提に国内で販売される場合
イ 特定の工作機械に若干の特殊な設計を施したモーターを使用する場合(特殊な保護装置を設ける場合) 
ウ フロアダクトを天井吊りとして施設するため、特殊な設計とする場合(防水装置を省略する場合)
エ スタジオ照明用制御盤のタンブラースイッチの使用に適した設計を施す場合(極間を小さくし、3極式とする場合)
オ 特定の場所に使用するため、電線管を特殊な設計とする場合(厚さを特にうすくする場合)
カ アからオに掲げるもののほか、特定用途に併せられるものと特に認められる場合

(2)販売の制限(法第27条第2項第1号)の例外承認

法第8条第1項第1号の規定による特定用途の例外承認の審査基準とする。

ということなので、

「カ アからオに掲げるもののほか、特定用途に併せられるものと特に認められる場合」
についてのコンプライアンス・ゾーンを経済産業省に問えばよいということになる。

これだと「日本シンセサイザー・プログラマー協会要望の音楽家の制作業務に関係する機器機材」はセーフになるかもしれないが、その他の汎用機器は、どうか、ということになりそうだ。

こちらに、PSEマーク「例外承認申請書記載例の様式がある。

追記10. JSPA(日本シンセサイザープログラマー協会)の署名依頼文の当初と、現在との変更・改ざん点(2006/03/06)

こちら『変更前』(2006/2/23 時点、この時点での途中集計署名数は、35,020名)

こちら『変更後』

三箇所あります。

第一点
発起人から『音楽家 高中正義』が削除

第二点
「ビンテージと言われている、現在もそのほとんどが現役で使用されている機器類(1950年代から1990年代に生産された機器類すべて)が対象製品として該当するので、検査機関の基準値を満たすことは到底不可能。」
から、「検査機関の基準値を満たすことは到底不可能」の部分が削除

第三点
署名ホームの横に[電気用品安全法に関する活動方針]がリンクされ、そのリンク先に、「『請願内容』 音楽家の制作業務に関係する機器機材の適用記載より『適用除外』を請願する。」との文言がある。

上記の点から、JSPA(日本シンセサイザープログラマー協会)は、「検査機関の基準値を満たす』ことができることを条件として、例外承認の方向をとったものと、推察されます。

当初の署名依頼文が、途中から、文中の一定部分が削除されるということは、変更前の署名者に対する冒涜と考えますが。

JSPA(日本シンセサイザープログラマー協会)さんの説明責任を問います。

追記11. 閣法の経過措置を議員立法で、延長することなんてできるのか?(2006/03/09)

例のPSE問題で、電気用品安全法の経過措置を延長することのための議員立法をするというのだが。

この経過措置というのは、

‥典ね冑憤汰緩,痢雰于畫蔀屐紡55条 で、「所要の経過措置を定めることができる。」とあり、

電気用品安全法施行令  附則(平成一二年三月二九日政令第一三五号) (電気用品取締法施行令の一部改正に伴う経過措置)第二条で「旧電気用品取締法第の規定による表示を付することができる。」「(その)表示は、整理合理化法第十条の規定の施行の日から起算して附則別表に掲げる移行電気用品ごとのに期間を経過する日までの間は、電気用品安全法第十条第一項の規定により付された表示とみなす。」とあり、

D名産業省関係の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律(平成11年法律第121号。「整理合理化法」)で「電気用品安全法施行令附則別表記載の期間の起算点」となる、
整理合理化法第十条の規定の施行の日が定められている

というややこしい規定なのだ。

もちろんできないことはないのだが、議員立法の経過措置を議員立法の改正で、経過措置を見直す例は、過疎法などに例があるが、果たして、閣法(内閣提出の法律案)の経過措置を議員立法で見直した例はあるのだろうか。
ちょっと、渡れないはしごを、無理してわたっているように思える。

小倉秀夫さんも、『電気用品安全法とノーアクションレター制度』で、その困難性を指摘している。

むしろ、今やるべきことは、高橋健太郎さんもブログ「個別の対応よりも明確なガイドラインを(PSE法)」で言っているように、「どこまでがオーケーでどこまでがアウトなのか」を、経済産業省さんに、ガイドラインで示してもらうこと、そして、ちょっと時期が遅くなってしまったが、ノーアクションレター制度(法令適用事前確認手続」)の活用で、グレーゾーンについてのセーフゾーンを、ひとまづ、確定すること、なのではないのかな?

PSE反対運動が、どうして、そのような出来ないことの方向に向かって、精力を注いでいるのかわからないが、出来ない場合の挫折感も、考えての運動でなければならないのではないのだろうか。

そうでなければ、たんなるパフォーマンスに終わってしまう。

現実は、そんな、できそうもないことには、待っていられないようで、すでに、中古オーディオ屋さんなどは、レンタル方式で走り出してしまっているようだ。
これなら、レンタル期間についての解釈は、ともかく、法的には、なんら問題はなさそうだ。

まづ、必要なのは、唯一、セーフティーゾーンとなりそうな、この部分を固めるために、このレンタル方式での経済産業省からの、公式見解を、引き出しておくことだ。

追記12.PSEマーク問題は、ガイドライン策定の方向で、決着の見通し(2006/03/12)

PSEマーク問題について、経済産業省は、ガイドライン策定の方向で、決着を図りたい意向のようだ。

これは、私や、高橋健太郎さんや、小倉秀夫さんなどが、かねてから主張してきた方向と一致するもので、まずは、歓迎すべき動きだ。

届出業者についてや、自主検査、偽装レンタルについてなど、もろもろのグレーゾーンをガイドラインによって、明確にすることによって、4月1日以降の混乱収拾は、計れるだろう。

しかし、上記に書いたように、ガイドラインを明確にすればするほど、製造物責任法、特許法、商標法、不正競争防止法などで、用尽理論とからむ問題が発生する懸念が生じてくるので、これらとの整合性を踏まえた、ガイドラインの策定が望まれる。

また、レンタル問題については、「育苗ポットの分離治具及び分離方法」訴訟(2001年4月12日大阪地裁判決、2003年5月27日大阪高裁判決)にも見られるように、必ずしも、これによっても、用尽論との整合性がクリヤーされているとも、見えないので、この部分での整合性も、はっきりさせてもらいたいものだ。


産経新聞記事
「PSE 業者は反発、来月実施 中古家電に延命策 経産省、ガイドライン作成」

以下、引用
「五年以上前に製造され、安全基準適合を示すPSEマークがない家電製品の販売を禁ずる電気用品安全法(電安法)。
中古家電を抱えるリサイクル業者などが法律の見直しを求めているが、経済産業省は法律通り四月から実施する。
「すでに準備している業者に不公平になる」(同省幹部)と判断した。
販売できなくなる製品もレンタルや個人売買は認められるため、そうした流通を行う際の指針を盛り込んだガイドラインを作って理解を求める考えだ。
ただ、業者側の反発は必至だ。 
(中略)
経産省の杉山秀二事務次官は十日の記者会見で過去のPR不足を認めたが、「(販売禁止に備えてきた)正直者がバカを見ないことも大事」と指摘。
同省としても四月からの販売禁止方針は変えず、ガイドライン策定などによって混乱収拾を図ることにした。
中古品についても適用の対象とする。
(中略)
経産省は昨年末以降、業者からの個別の問い合わせにこうした対処法を説明してきたが、もっとわかりやすい形で示す必要があるとしてガイドラインを作成する。
特に業者が個人売買を偽装する取引が横行すれば、消費者の安全が確保されなくなるため、今年一月に公表した特定商取引法のガイドラインを参考に事業者と非事業者の区分を明確化する方針だ。
(中略)
また、レンタル方式が販売の隠れみのに悪用されても消費者が不利になる恐れがあり、同省は契約方法の枠組みを示す方向で検討している。
経産省では「消費者の安全を守ることが大前提。その上で、リサイクル品や中古品の流通に支障が生じないような方策を示したい」としている。」
以上引用終わり

追記13. 経済産業省が、対策を発表(2006/03/14)

下記のとおりです。

「経過措置の一部終了に伴う対策について」

追記14. EU司令に学ぶ、「危険電機製品の流通における中古品の扱い」(2006/03/19)
Yahoo掲示板でも、一部の専門家が議論を提起しているが、今回のPSE問題についての経済産業省の中古品についての安全基準の適応には、EU司令での中古品の扱いとは、ギャップがある。

まず、2006年3月1日の衆議院予算委員会8分科会における共産党の塩川鉄也議員の質問に対する経済産業省の迎(むかえ)商務流通審議官の答弁は、次のようなものであった。

「えー、再々、申し上げておりますようにですね。あの、先生の今ご指摘のその資料においてですね、流通前の規制というふうな部分と、ですね、流通後の規制というふうなことに分けて書いた説明資料というのが、まあ、あるわけでございますけれども、これは、その、中古品で、ですね、もう一度、販売の段階に戻れば、ですね、これは、その、資料の中の流通前の措置に該当するという風にかんがえられるわけでございまして、ですね、まあ、その、それを持って、その、中古品は対象外と考えていたというふうなことでは、あの、ございません。」

つまり、新製品でいったん市場に出回った(「上市した」、英語では「Put on the market」または、「placing on the market」という。)物が、中古になって、再び、販売の段階に戻ってきたときには、上市前の状況とセームになるという解釈である。

では、EU司令では、どうなっているのだろうか? 

ここに、2003年1月27日発令の「DIRECTIVE 2002/95/EC 」というEU司令がある。

この司令は、「on the restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment」(電気機器または電子装置に一定の危険物質を使用することの制限について)の司令ということである。
この中で、すでに、上市されている電気機器または電子装置の取り扱いについては、「Article 2」の「Scope 3」において、下記のとおりに定義されている。

「3.This Directive does not apply to spare parts for the repair,or to the reuse, of electrical and electronic equipment put onthe market before 1 July 2006」
(この司令は、2006年7月1日以前に、上市(put onthe market)された電気機器または電子装置の、修理のためや、リユースのためのスペアパーツには、適用されない。)

「DIRECTIVE 2002/95/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 27 January 2003 on the restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment」

つまり、ここでは、「修理」と「リユース」とは、同次元での取り扱いになっているということである。

また、イギリスの「"The RoHS Regulations"」(The Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment Regulations 2004)においても、同様の扱いになっているようだ。

ちなみに、イギリスの「"The RoHS Regulations"」(The Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment Regulations 2004)
「電機機器ならびに電子機器における特定危険物質使用規制」

では、
「Exemptions
16. The RoHS Regulations do not apply; To the reuse of EEE placed on the market before 1 July 2006.」
(RoHS規制の除外規定−2006年7月1日以前に上市された電気電子機器(EEE:Electrical and Electoronic Equipment)のリユース)
となっている。

しかし、このYAHOO掲示板の投稿者の方も触れられているようだが、肝心の1973年の低電圧司令(the European Low VoltageDirective (LVD)73/23EEC)と1993年の低電圧修正司令(Amend the European Low VoltageDirective (LVD)93/68EEC )では、その点、ちょっと明確ではないような。

また、日本のPSE問題と同じようなケースとしては、1993年に発令された、the Medical Devices Directive (MDD; 93/42/EEC)が、2004年11月1日に、デッドラインを迎えたときの例ですが、このときは、旧製品については、下記のとおりの規定となっている。

「A medical electronic device now on the market in the EU may not have been tested to all the updated requirements. Though compliant at the time of being introduced for sale, a device may very possibly be noncompliant when it is eventually sold. It is up to the manufacturer to determine whether the device should be tested to the new standard or withdrawn from the market. No grandfather clause covers these existing devices.」
(現在EU市場にある医療用電子機器のすべてが、最新の要件検査を受けたものでは、ないであろう。
市場におかれたときには、コンプライアンスにかなっていたものであっても、究極、販売された後は、ノンコンプライアンスの状態に、おそらく、あるであろう。
この機器が新基準での検査を受けるかどうか、それとも、市場から引き上げるかどうかは、製造業者次第である。
これらの現存する機器については、いかなる祖父条項(grandfather clause)も、カバーしない。)
参照
「New EMC Requirements with the Updated Medical Devices Directive」

その他の司令における扱いについては、このサイトご参照

参考 YAHOO掲示板における当時の実務担当者らしき方からの投稿

電気用品安全法の現実的運用方法 2006/ 3/19 9:49 [ No.1019 / 1074 ]

投稿者 :
an013138

1998年ごろ、工業会の委員会で、この電気用品安全法を法案の段階で何度も検討・協議した覚えがあります。当然、*第二十七条についても検討を加えました。我々は世界の製品安全規制への対応を図っていますので、この条文を見たときに、当然、発効日以降に製造・販売される電気用品(電安法が規制している電気製品のことを電気用品と呼びます)に対してのみ適用されるものと理解していましたし、発効日である2001年4月1日の時点でも、すでに販売された電気用品を再販する際に対してまで適用しようとは当時の製品安全課ですら考えていなかったはずです。なぜそうなってしまったか、役人は2年で移動してしまいますので、おそらく次の人への引継ぎがうまく行かなかったために後の役人はその条文だけを読んで今回の判断に至っ� ��ものではないでしょうか。(他にたいした理由があるとは思えないのですが・・・)

*第二十七条 電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、 第十条第一項の表示が付されているものでなければ、 電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。
・・・(以下は例外に関する記述)

電気製品の安全性に関する法律としてはEUの指令が最も合理的です。1973年に施行された73/23EEC(Low Voltage Directive:低電圧指令)は、安全と関係ない、いわばメーカーやユーザーにとってはどうでもよいような手続を強いる日本の電安法とは対極にあります。(長くなるので内容は省略します)

日本でも時々見かけると思いますが、製品にCEマークが貼付されているものがあります。それは、その製品に義務付けられている健康と安全に関係する全てのEU指令に適合していることを当局に宣言していることを意味しています。該当する製品はCEマークが無いとEUでは製品を『上市』できません。上記、『低電圧指令』はそのCEマーク貼付の条件の一つになっています。

電安法には多くの問題がありますが、今回問題なっている中古品の販売ができなくなるという件については、条文を杓子定規に解釈し運用しようとしたことによるものと思われます。製品安全課が海外の製品安全法規制を勉強し現実的な運用をするべきと思います。EUで規定している『上市』の概念を取り入れていればこのような結果にはならなかったはずです。『上市』とは、その製品が最初にサプライチェーンに乗った時とされています。そして法律の適用はその製品の『上市』前か後かによって決まります。

これを電安法を例にして適用すると、電安法施行日以前に『上市』されていた電気用品については、それ以前に適用されていた電気用品取締法の適用を受けることになり、その後の中古品としての販売も電気用品取締法の適用を受け続けることになります。一旦販売した後に業者が買い取り、改造を加えて再販する場合にはその時点が製造とみなされ、その後『上市』される時点で施行されている法律の適用を受けることになります。施行日以降『上市』される電気用品は、電気用品安全法の適用を受けることになります。これは、極、常識的な考えだと思います。

結論として、今回の問題についての解決方法としては、当局が、第二十七条を解釈する際に、EUの『上市』の概念を取り入れて判断し、運用することだと思います。(法律の条文を変更するとなると3月中にはとても間に合いませんのでとりあえずこのような運用にしておき、後日明文化すればよいと思います)

ビンテージ除外という当局の判断は第27条の例外規定を解釈で切り抜けようとしていると思いますが、あまりにも個別的で場当たり的です。あきれてしまいます。

追記15.もうひとつのPSE問題-WEEE Directive 問題との関係-(2006/03/22)

なかなか、にぎやかなPSE問題だが、もうちょっと、視点を広げてみると、この問題は、廃製品のリサイクル指令(WEEE)と有害物質の使用規制(RoHS)とに、強く絡み合っていることがわかるのだが。

この WEEE Directive 問題というのは、このサイト「WEEE Directive. Directiveの概要 」
に見るとおりの、スキームなのだが、「廃電子電気司令 」といわれるものである。

すなわち、電気、電子機器には、多数の有害物資が含まれるところから、この司令には、76/769/EEC司令(危険な物質および調剤の上市 と使用の制限に関する理事会指令)と、67/548/EEC司令( 危険な物質の分類、包装、表示に関する理事会指令)とが絡み合ってくるという問題である。

この、廃製品のリサイクル指令(WEEE)と有害物質の使用規制(RoHS)の日本版を日本の経済産業省さんは、視野に入れているのかどうかは、わからないが、このPSE問題の時点で、上市の概念の整理をしておかないと、将来に禍根を残すのではないかと、懸念している。

ちなみに、RoHS規則においては、リユースについては、除外規定を設けている。

PSE反対派の皆さんも、単なる情緒的反対を繰り返しているばかりでなく、もっと、このようなEU規定との齟齬をつくような戦略の構築が望まれるのだが。

まあ、経済産業省さんの「ヴィンテージ例外承認扱い」というのも、たぶんに、情緒的産物なのだが。

インチキ署名でもって、例外承認制への抜け駆けを図った、JSPA(日本シンセサイザープログラマー協会)の罪は、もっと重いと思う。

このRoHSの日本版が、今年に予定されている資源有効利用促進法改正 により設定されるJ-Moss JIS規格とも思われるのだが、このサイト「「"日本版RoHS"という認識は誤解」、J-Moss JIS規格の詳細が明らかに 」での経済産業省の岩崎貴信氏の発言では、「(J-Moss JIS規格は)日本版RoHSと誤解している人が多いようだが、RoHS指令のように使用を規制するものではなく、あくまで表示を定めることで6物質を管理するもの」といっているのだが、どうなのだろう。

「製造日を起点としているので、上市というあいまいな概念から逃れられている。」というような趣旨のこともいわれている。

また「対象製品が「日本標準商品分類」を基に規定されているために、この分類で別に規定されているものは自動的に対象外になるなど、本来の目的と照らし合わせると今後の見直しが必要と思われる点も目立った。」とも書いている。

今のところ、対象製品は .僉璽愁淵襯灰鵐團紂璽伸▲罐縫奪鳩船┘▲灰鵐妊ショナテレビ受像機づ典の簑庫ヅ典だ濯機ε纏劵譽鵐賢О疥犂チ腟,亮敬別椶里茲Δ世、このうち、今回のPSE問題での対象製品とダブっているのは、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、衣類乾燥機、電子レンジ、と、ほとんどだ。

このうち、救済されるのは、2006年6月以前に製造されたもの、ということになるのだが、では、細かいことを言うようだが、2006年4月から2006年6月までに製造されたものについては、それが、中古で、2006年6月以前に出回ったものについては、PSEマークは必要だが、J-Mossマークは必要ないというダブルスタンダード状態が発生することになる。

経済産業省は、この辺で、整合化を図られたら、いかがなものだろうか。

追記16.PSE問題は実質解決 2006/03/24(Fri)

2006年3月24日午後4時15分から、PSE問題を考える会(小川浩一郎代表)が、経済産業省で記者会見を行い、下記のとおりで、経済産業省と、話し合いがまとまったと、報告した。

なお、この席には、経済産業省福田消費経済政策課長も同席した。

PSE問題を考える会は、次の5点を経済産業省に要望し、下記のとおりの回答を得た。

できるだけ早く検査しPSEマークを付する事ができるよう、可能なかぎり、検査機器の無償貸出しなどの支援策を広げるとともに、検査機器の使い方や届出書類などの作り方の講習会を日本全国でできるだけ早く開催していただきたい。と要望。
●経済産業省了解

販売後の検査やレンタルなどの工夫をすることによって、現実に在庫として抱えている中古品の販売が継続できることを要望。
●経済産業省了解。

事業者間での中古品の取引きについて、PSEマークを付さなくとも取引きできるようにしてほしい旨要望。
●経済産業省とは、国内に販売することが、明らかになっていない流通の途中の段階では、マークが不用であることを確認。

い修梁勝⊆蠡海覆匹砲弔い謄螢汽ぅルショップの相談に経済産業省は、丁寧に応じる。さらなる制度の周知徹底。
●経済産業省了解。

ッ羝塗覆離螢罅璽垢箸い事業が社会的に重要であり、リサイクル社会を支える不可欠の産業であると認識していただき、4月1日の法施行後も電気用品安全法をどう扱うのかを、リサイクル事業者と連携しつつ、今後引き続き議論してほしい、と要望。
●経済産業省とは、今後ともと話し合いを継続していくということで意見一致。

この結果、実質、課題は、解決され、リサイクル業界は、PSEマークがなくても、買い取り及び販売を継続。

追記17.PSE問題の後始末  2006/03/25(Sat)

PSE問題も、昨日の仮決着で、ほとんど、問題はなくなった。

気の毒なのは、当面必要もないのに、あわてて、ハードオフの特別処分品を大量に買ってしまった、あわてものの消費者たち。

中古品の仮需なんて聞いたことはないが、これらの消費者は、得したのか、損をしたのか。

「中古品のファンダメンタルズ」なんてものがあるとすれば、確実に、これまでの中古品の価格は、買い取り価格の安さに比して、高止まりしていたのではなかったのか。

だから、4月以降は、PSEマーク問題は片付いても、需要は、大幅下落するに違いない。

中古品消費者は、今回の問題で、ちょっとは、賢くなったのかもしれないのが、せめてもの慰めか。

実は、私も、3月末まで、取り置きしといてくれといった品を、引き取るべきか、引き取らざるべきか、迷っている。

反対派も、早くから、できそうもないことを言わないで、早期にガイドライン設定に、経済産業省と、渡り合ったほうが、中古品の消費者にとっては、混乱は少なかったはず。

坂本龍一さんたちの署名騒動も、今振り返ってみれば、とんだフェイクに終わったような。

今回も、「戦い済んで、日は暮れて」の、むなしさだけが残る。

参考1.
 電気用品安全法 平成十二年三月二十九日政令第135号

「電気用品を製造、輸入又は販売事業を行う者は、PSEマークの表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない」(法第27条)

電気用品安全法の関係部分
(販売の制限)第27条 電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、第10条第1項の表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。《改正》平11法1212 前項の規定は、同項に規定する者が次に掲げる場合に該当するときは、適用しない。
1.特定の用途に使用される電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列する場合において、経済産業大臣の承認を受けたとき。
2.第8条第1項第1号の承認に係る電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列するとき。)

(基準適合義務等)第8条 届出事業者は、第3条の規定による届出に係る型式(以下単に「届出に係る型式」という。)の電気用品を製造し、又は輸入する場合においては、経済産業省令で定める技術上の基準(以下「技術基準」という。)に適合するようにしなければならない。ただし、次に掲げる場合に該当するときは、この限りでない。
1.特定の用途に使用される電気用品を製造し、又は輸入する場合において、経済産業大臣の承認を受けたとき。

(表示)第10条 届出事業者は、その届出に係る型式の電気用品の技術基準に対する適合性について、第8条第2項(特定電気用品の場合にあつては、同項及び前条第1項)の規定による義務を履行したときは、当該電気用品に経済産業省令で定める方式による表示を付することができる。

2001年4月1日に施行され、電熱器具、電動力応用機械器具、光源応用機械器具、電子応用機械器具、その他の交流用電気機械器具の大部分について、猶予期間が5年のものは、この2006年3月31日で、猶予期間が満了し、2006年4月1日より、規制が開始される。

特定電気用品(112品目)と特定電気用品以外の電気用品(338品目)とがあり、猶予期間に応じて、満了日は下記のとおりとなっている。

5年:平成18年3月31日   7年:平成20年3月31日   10年:平成23年3月31日

「経済産業省 電気用品安全法の概要 2004.12.10」

「経済産業省 電気用品安全法に関する質問について  平成15年5月26日 製 品 安 全 課 電 力 安 全 課」

「経済産業省 経過措置の 終了に伴う電気用品の取扱いに関して」

「経済産業省 電気用品安全法 手続の流れ」

「財団法人 電気安全環境研究所の電気用品安全法に関するFAQ」」

「電気用品安全法の概要」

「海外各国の電機規格・安全規格-海外規格情報 -」

参考2.
2006年3月31日をもって猶予期間が切れる電気製品一覧

特定電気用品

電熱器具
77 電気便座 5年
78 電気温蔵庫 5年
79 水道凍結防止器 5年
80 ガラス曇り防止器 5年
81 その他の凍結・凝結防止用電熱器具 5年
82 電気温水器 5年
83 電熱式吸入器 5年
84 その他の家庭用電熱治療器 5年
85 電気スチームバス 5年
86 スチームバス用電熱器 5年
87 電気サウナバス 5年
88 サウナバス用電熱器 5年
89 観賞魚用ヒーター 5年
90 観賞植物用ヒーター 5年
91 電熱式おもちや 5年

電動力応用機械器具
94 冷蔵用のショーケース 5年
95 冷凍用のショーケース 5年
96 アイスクリームフリーザー 5年
97 ディスポーザー 5年
99 自動洗浄乾燥式便器 5年
100 自動販売機 5年
101 浴槽用電気気泡発生器 5年
102 観賞魚用電気気泡発生器 5年
103 その他の電気気泡発生器 5年
104 電動式おもちや 5年
105 電気乗物 5年
106 その他の電動力応用遊戯器具 5年

電子応用機械器具  
107 高周波脱毛器 5年

その他の交流用電気機械器具  
108 磁気治療器 5年
109 電撃殺虫器 5年
110 電気浴器用電源装置 5年
112 携帯発電機 5年

特定電気用品以外の電気用品

電熱器具
70 電気足温器 5年
71 電気スリッパ 5年
72 電気ひざ掛け 5年
73 電気座ぶとん 5年
74 電気カーペット 5年
75 電気敷布 5年
76 電気毛布 5年
77 電気ふとん 5年
78 電気あんか 5年
79 電気いすカバー 5年
80 電気採暖いす 5年
81 電気こたつ 5年
82 電気ストーブ 5年
83 電気火ばち 5年
84 その他の採暖用電熱器具 5年
85 電気トースター 5年
86 電気天火 5年
87 電気魚焼き器 5年
88 電気ロースター 5年
89 電気レンジ 5年
90 電気こんろ 5年
91 電気ソーセージ焼き器 5年
92 ワッフルアイロン 5年
93 電気たこ焼き器 5年
96 電気がま 5年
97 電気ジャー 5年
98 電気なべ 5年
99 電気フライヤー 5年
100 電気卵ゆで器 5年
101 電気保温盆 5年
102 電気加温台 5年
103 電気牛乳沸器 5年
104 電気湯沸器 5年
105 電気コーヒー沸器 5年
106 電気茶沸器 5年
107 電気酒かん器 5年
108 電気湯せん器 5年
109 電気蒸し器 5年
110 電磁誘導加熱式調理器 5年
111 その他の調理用電熱器具 5年
112 ひげそり用湯沸器 5年
115 毛髪加湿器 5年
116 その他の理容用電熱器具 5年
117 電熱ナイフ 5年
118 電気溶解器 5年
119 電気焼成炉 5年
120 電気はんだごて 5年
121 こて加熱器 5年
122 その他の工作・工芸用電熱器具 5年
123 タオル蒸し器 5年
124 電気消毒器(電熱) 5年
125 湿潤器 5年
126 電気湯のし器 5年
127 投込み湯沸器 5年
128 電気瞬間湯沸器 5年
129 現像恒温器 5年
130 電熱ボード 5年
131 電熱シート 5年
132 電熱マット 5年
133 電気乾燥器 5年
134 電気プレス器 5年
135 電気育苗器 5年
136 電気ふ卵器 5年
137 電気育すう器 5年
138 電気アイロン 5年
139 電気裁縫ごて 5年
140 電気接着器 5年
141 電気香炉 5年
142 電気くん蒸殺虫器 5年
143 電気温きゆう器 5年

電動力応用機械器具
144 ベルトコンベア 5年
145 電気冷蔵庫 5年
146 電気冷凍庫 5年
147 電気製氷機 5年
148 電気冷水機 5年
149 空気圧縮機 5年
150 電動ミシン 5年
151 電気ろくろ 5年
152 電気鉛筆削機 5年
153 電動かくはん機 5年
154 電気はさみ 5年
155 電気捕虫機 5年
159 電動脱穀機 5年
160 電動もみすり機 5年
161 電動わら打機 5年
162 電動縄ない機 5年
163 選卵機 5年
164 洗卵機 5年
165 園芸用電気耕土機 5年
166 昆布加工機 5年
167 するめ加工機 5年
168 ジューサー 5年
169 ジュースミキサー 5年
170 フッドミキサー 5年
171 電気製めん機 5年
172 電気もちつき機 5年
173 コーヒーひき機 5年
174 電気缶切機 5年
175 電気肉ひき機 5年
176 電気肉切り機 5年
177 電気パン切り機 5年
178 電気かつお節削機 5年
179 電気氷削機 5年
180 電気洗米機 5年
181 野菜洗浄機 5年
182 電気食器洗機 5年
183 精米機 5年
184 ほうじ茶機 5年
185 包装機械 5年
186 荷造機械 5年
187 電気置時計 5年
188 電気掛時計 5年
189 自動印画定着器 5年
190 自動印画水洗機 5年
191 謄写機 5年
192 事務用印刷機 5年
193 あて名印刷機 5年
194 タイムレコーダー 5年
195 タイムスタンプ 5年
196 電動タイプライター 5年
197 帳票分類機 5年
198 文書細断機 5年
199 電動断裁機 5年
200 コレーター 5年
201 紙とじ機 5年
202 穴あけ機 5年
203 番号機 5年
204 チェックライター 5年
205 硬貨計数機 5年
206 紙幣計数機 5年
207 ラベルタグ機械 5年
208 ラミネーター 5年
209 洗濯物仕上機械 5年
210 洗濯物折畳み機械 5年
211 おしぼり巻き機 5年
212 おしぼり包装機 5年
213 自動販売機(特定電気用品を除く。) 5年
214 両替機 5年
215 理髪いす 5年
223 扇風機 5年
224 サーキュレーター 5年
226 送風機 5年
228 電気冷風機 5年
229 電気除湿機 5年
230 ファンコイルユニット 5年
231 ファン付コンベクター 5年
232 温風暖房機 5年
233 電気温風機 5年
234 電気加湿機 5年
236 電気除臭機 5年
237 電気芳香拡散機 5年
238 電気掃除機 5年
239 電気レコードクリーナー 5年
240 電気黒板ふきクリーナー 5年
241 その他の電気吸じん機 5年
242 電気床磨き機 5年
243 電気靴磨き機 5年
244 運動用具又は娯楽用具の洗浄機 5年
245 電気洗濯機 5年
246 電気脱水機 5年
247 電気乾燥機 5年
248 電気楽器 5年
249 電気オルゴール 5年
250 ベル 5年
251 ブザー 5年
252 チャイム 5年
253 サイレン 5年
271 電気噴水機 5年
272 電気噴霧機 5年
273 電動式吸入器 5年
274 指圧代用器 5年
275 その他の家庭用電動力応用治療器 5年
276 電気遊戯盤 5年

光源応用機械器具
278 写真焼付器 5年
279 マイクロフィルムリーダー 5年
280 スライド映写機 5年
281 オーバーヘッド映写機 5年
282 反射投影機 5年
283 ビューワー 5年
284 エレクトロニックフラッシュ 5年
285 写真引伸機 5年
286 写真引伸機用ランプハウス 5年
287 白熱電球 5年
288 蛍光ランプ 5年
296 広告灯 5年
297 検卵器 5年
298 電気消毒器(殺菌灯) 5年
299 家庭用光線治療器 5年
300 充電式携帯電灯 5年
301 複写機 5年


電子応用機械器具
302 電子時計 5年
303 電子式卓上計算機 5年
304 電子式金銭登録機 5年
305 電子冷蔵庫 5年
306 インターホン 5年
307 電子楽器 5年
308 ラジオ受信機 5年
309 テープレコーダー 5年
310 レコードプレーヤー 5年
311 ジュークボックス 5年
312 その他の音響機器 5年
313 ビデオテープレコーダー 5年
314 消磁器 5年
315 テレビジョン受信機 5年
316 テレビジョン受信機用ブースター 5年
317 高周波ウエルダー 5年
318 電子レンジ 5年
319 超音波ねずみ駆除機 5年
320 超音波加湿機 5年
321 超音波洗浄機 5年
322 電子応用遊戯器具 5年
323 家庭用低周波治療器 5年
324 家庭用超音波治療器 5年
325 家庭用超短波治療器 5年

その他の交流用電気機械器具
326 電灯付家具 5年
327 コンセント付家具 5年
328 その他の電気機械器具付家具 5年
329 調光器 5年
330 電気ペンシル 5年
331 漏電検知器 5年
332 防犯警報器 5年
333 アーク溶接機 5年
334 雑音防止器 5年
335 医療用物質生成器 5年
336 家庭用電位治療器 5年
337 電気冷蔵庫(吸収式) 5年
338 電気さく用電源装置 5年

以上

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