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5つ星のうち 5.0 Activistによる、グローバルフードシステムへの挑戦状,
レビュー対象商品: 肥満と飢餓――世界フード・ビジネスの不幸のシステム (単行本)
なぜ、莫大な資金援助をしてもなお、飢餓がなくならないのか。なぜ、農家は自分の農地で自分の食料を栽培できず、土地を追われ、自殺に走るのか。
自分で植えたはずの作物が、なぜ彼らの生活を支える糧とならなかったのか。
農家から私たちの食卓を結ぶ食料供給システムの根幹をなす残酷な関係が、
詳細かつ裏付けのある資料と共に冷静に分析されています。
またスーパーマーケットの「豊富な選択肢」についても言及し、
私たちがどのように、何を食べているかが、白日のもとに晒される、そんな印象を持ちました。
1793年に黄熱病約ABCの事実
この手の書籍でありがちな、第三者視点の正義感からのシュプレヒコールのような文体は
うんざりさせられることが多いのですが、
企業とは相反する立場にいるにもかかわらず、偏り穿った表現は見られず、読みやすいです。
また、消費者の問題にも言及しています。
訳者が指摘するように最終章の冒頭も重要ですが、
それ以上に秀逸なのは、最終章における実践の提案だと私は思います。
この書籍で、実名で指摘される多くは多国籍コングロマリット企業で、日本は関係ないと思いがちですが
日本が持つ問題も、訳者によって巻末でまとめられておりますので他岸の火事では終わらないかと(笑)
当事者意識をもつかどうかを問う以 前に、もう既に当事者であることを思い出させてくれます。
原著は2005年に出版されたため、リーマンショックについては記載されていません。ご注意ください。
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卒業ギフトストアウィチタフォールズTX
5つ星のうち 5.0 TPPってどうなんですか?を考えるためにも。,
レビュー対象商品: 肥満と飢餓――世界フード・ビジネスの不幸のシステム (単行本)
st.croix滝「なぜ世界で、10億人が飢え、10億人が肥満に苦しむのか?」――本書は、私たちの日常的な食を通じて、肥満と飢餓という一見対極に見える(けれども世界中で同時進行している)現象が、多国籍食料企業を独り勝ちにする不平等・持続不可能なグローバル・フードシステムの帰結であること、そして私たちにはそのシステムを変革する必要性と可能性があることを、豊富なデータと明晰な考察を通じて、わかりやすく教えてくれる。
本書を読んで痛感するのは、食の生産者と消費者が、市場の価格(駆け引き)を通じてしかつながれないような、一種の敵対的な関係に縛られ続ける限り、私たちが倫理的な食生活を営むのは殆ど不可能だということである。私たちが口にする一杯のコーヒーも、豆を買い叩かれるウガンダの農民に とっては飢餓の原因になりうるし、加工食品の四分の三に含まれる大豆(一キロあたり一トンの水を必要とする)は、アマゾンの先住民が暮らす肥沃な土地を枯らしてしまう。一方でもちろん、国産品だからといって安心できるほど日本の農家が恵まれた立場にあるわけでもないだろう(本書の日本語版解説も秀逸である)。
けれども、著者が主張するように、ともに選択肢を奪われている生産者と消費者が、食に関する自己決定権(「食料主権」)を取り戻すことで、食の流通を独占する企業に搾取されることなく、ともに支え合うことのできる公正なフード・システムを確立していく取り組みは、決してストイックで絶望的な挑戦というわけではない。その証拠に、スローフードに代表されるような、むしろ貪欲で楽しい食の変革は、日本でも確実に広がっている。
日本政府は最近TPP(環太平洋パートナーシップ協定)について「関係国との協議を開始する」方針を決定し、世論調査でも61%の人々が参加を支持しているという(11月8日付読売新聞)。議論の行方を冷静に見極める上でも、ぜひ押させて� ��きたい一冊である。
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5つ星のうち 3.0 反省の時期なんだろうな。,
レビュー対象商品: 肥満と飢餓――世界フード・ビジネスの不幸のシステム (単行本)
隣の町で小麦を作っている農家がいるのに、我が家の食卓にはアメリカ産の小麦で作ったパンが並ぶ。運送費を差し引いても、その方がお金が儲かる仕組み、グローバル・フード・システム。次の世代の農業生産資源を食いつぶしているのはなぜなんだ。この仕組みを反省する時期なんじゃないだろうか。
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